17日に肺炎で死去したロック歌手で俳優、内田裕也さん(享年79)が1973年から主催してきた年越しライブイベント「ニューイヤーズ・ワールド・ロックフェスティバル」が、今年の大みそかも開催されることが19日、分かった。若手からベテランまで、ロックンロールでつながった仲間たちが、熱い叫びで内田さんを追悼するコンサートになる。

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「打倒紅白歌合戦」を掲げた内田さんが主催し、1973年(昭48)にスタートした「ニューイヤーズ・ワールド・ロックフェスティバル」。昨年まで毎年、1度も休むことなく46回、大みそかから翌年元日にかけて都内などで開催してきた大型ライブイベントが、今年も開催され、ロックンロールで内田さんを追悼する。

内田さんと親交のあるアーティストや、ロックンロールでつながった仲間たちが出演するとみられる。音楽でロック界のカリスマ、内田さんを追悼する、盛大な内容になる見込み。内田さんは今年の年明け、同ロックフェスティバルに登場し「コミック雑誌なんかいらない」などを披露。「ジョニー・B.グッド」では、会場の熱気に応えるように、車いすから立ち上がり、シャウトした。

内田さんは、日刊スポーツにフェスへの熱い思いを語っていた。「大切なのは継続ですよ。魂や肉体、すべてでロックンロールを溺愛してきたから。今じゃ笑い話だけど『打倒紅白』を掲げたからね。ただ、一時のブームにはしたくなかった。これで金をもうけたことは1度もない」。

73年の第1回には矢沢永吉がボーカルのキャロル、加藤和彦とサディスティック・ミカ・バンド、かまやつひろしさんらそうそうたるメンバーが参加。その後も沢田研二、松田優作さん、ビートたけしらが出演。昨年もシーナ&ロケッツ、頭脳警察、白竜、陣内孝則らの「TH eROCKERS」、中村獅童らがボーカルの「高樹町ミサイルズ」らが登場した。

04年からは開催地を中国、韓国などの海外にも広げた。以来、ロンドン、パリ、モスクワ、ロサンゼルスなどでも開き、世界中に音楽の輪を広げてきた。内田さんの「ロックンロール」は終わらない。