今年で11回目となった「沖縄国際映画祭」が21日に終わった。今回で6年連続6回目の取材となった。東京方面ではAAAリーダー浦田直也容疑者(36)の逮捕&謝罪会見、新潟方面ではNGT48現体制での最終公演&山口真帆(23)の卒業宣言と大騒動だった。

そうは言っても、こちらは東京から1500キロ以上離れた沖縄の那覇。「なんくるないさー」と取材を続けた。吉本興業とNTTによる「遊びと学び」のプラットフォーム「Laugh&Peace_Mother」の発表、女優松本穂香(22)の舞台あいさつ、日本一エロいグラビアアイドル森咲智美(26)の妄想セクシースーツなど盛りだくさんだったが、逸材を発見した。

地元沖縄のFMよなばる「まっちのそれ行け探検隊」(火曜正午)でパーソナリティーを務める町田千歩(27)だ。映画祭のあちらこちらで、スマホを手に自撮り映像&動画を撮影、突撃取材を繰り返している。大会実行委員長だった大崎洋吉本興業会長(65)ともツーショット撮影に成功。YouTubeの「まっちチャンネル」でも毎日のように動画配信をしているが、大崎会長からは「まっちゃんは、もういいよ」と苦笑いされたという。

生まれは大分・臼杵で、3月までは臼杵ケーブルネットの番組に出演していた。4月から1年と期限を決めて、生まれ故郷を離れて沖縄に移住。今は与那原町民宿にお手伝いをしながら住んでいる。フランス人、韓国人、格闘技選手など、民宿に泊まりに来るさまざまな人と交流しながら日夜、取材を続けている。

当方も「東京から来たすてきな芸能記者」枠に入れてもらえるかと思ったら、まさかの「お父さんと同い年」でした(笑い)。「まっちャンネル」は、下手なお笑い芸人より笑える。スマホを誤発信しないように、東京の片隅で毎日ビクビクおびえながら生きている身としては、臼杵から沖縄に来て、SNSで情報発信するバイタリティーと、その若さに、ただただ圧倒されるばっかりだった。

と、思ったら、毎度おなじみのレジェンドにも圧倒されてしまった。沖縄国際映画祭でライブステージ「シニアバー泰士」を開いた作曲家中村泰士氏(79)だ。

何しろ、芸能界のスタートが、先月なくなった内田裕也さん(享年79)が率いるバンド「ロックブラザーズ」のボーカルというのだから、恐ろしいレジェンドだ。

作曲家として「喝采」(72年)「北酒場」(82年)でレコード大賞の大賞受賞2回。ちあきなおみも細川たかしも、中村氏の楽曲なしに語れない。そして記者にとって何よりなのは、70年代から80年代の伝説のオーディション番組、日本テレビ系「スター誕生」の審査員を務めたこと。桜田淳子も中森明菜も、この人がいたから輝いた。

同年代が鬼籍に入って行く中、自分より50歳近く若い芸人と絡んで笑い、歌う。そして夜は、豪快に酒をグイグイ(笑い)。

思わず、若さの秘けつを聞いてしまった。

「出し切ることだよ。自分の中にあるものを、全て絞り出せ」

空になれば、そこに、また新しいエネルギーが充満してくる。

若い娘さんとレジェンドからエネルギーをいただいて、沖縄から帰京。平成の最後も、令和の最初も、出し尽くすまで頑張ろうと思う。【小谷野俊哉】