デビュー40周年を迎えたフュージョンバンド、カシオペア3rdのリーダーでギターの野呂一生(62)が大阪市内で日刊スポーツの取材に答え、7月17日にリリースした新アルバム「PANSPERMIA」(パンスペルミア)をPRした。アルバム名は生命の起源に関する仮説のひとつで、生命の種は宇宙から飛来したという「胚種広布説」を意味するという。ギリシャ語で「種をまく」という意味もあり、9曲目には、「星の種」と直訳できる「STAR SEEDS」も収録した。

カシオペアというバンド名自体、宇宙に関連しているが、新アルバムについて野呂は「まさに原点回帰の1枚。宇宙的なサウンドを作りたくてバンドを始めたこともあり、40周年の節目に初心に帰った。テーマは宇宙からの贈り物です」と全10曲に感謝の思いを込めた。特にポルタメントと呼ばれる、音程を変えて2つの音をつなげるシンセサイザー特有のトーンを多用したのは、デビュー当時を彷彿とさせ、往年のファンには懐かしく、新しいファンにも新鮮な響きを感じさせる。

アルバムに同梱されるDVDには、新曲「BEYOND THE GALAXY」のミュージックビデオ(MV)を収録。これは26年ぶりとなるMVで、記念盤への気合の入れ様がうかがえる。

カシオペアは79年にデビューすると、89年までの第1期、90年から06年までの第2期、6年の休止期間を経て12年からの第3期と、メンバー交代を繰り返しながら、日本のフュージョン・シーンの真ん中を駆け抜けて来た。メンバーで唯一、全期間を支えてきた野呂は「熱いライブも楽しんでいただく。自分もファンも年を重ねて、体力勝負ですね」と笑顔を見せた。

 ライブは7月27日の福岡を皮切りに全国8都市を巡る。8月31日の東京・マイナビBLITZ赤坂ではスペシャル・プログラムを予定。その他イベント出演など詳しくは公式サイト(http://www.casiopea.co.jp/)を参照。