俳優中井貴一(57)が19日、都内で、主演映画「記憶にございません!」(三谷幸喜監督、9月13日公開)完成披露試写会に出席した。

中井は「1年前、猛暑の中で撮影をした。今年なら楽だったなと思います。過酷な撮影でしたが、その過酷さは画面に出ていません。政治コメディーですが、政治のことは一切わからなくて大丈夫です」と話した。コメディー作品は「役者がまずコメディーをやらないのが前提なんです」とし、「コメディーをやらなくてもおもしろくなるように本ができている」と三谷監督の脚本を評した。

この日、ディーン・フジオカ(39)石田ゆり子(49)草刈正雄(66)佐藤浩市(58)斉藤由貴(52)木村佳乃(43)吉田羊、三谷監督(58)も登壇した。

中井の発言に対して三谷監督は「そのわりにはおもしろい顔をしていたよね」と笑いながらチクリ。中井は苦笑した。

草刈は「とにかく楽しくて仕方がなかった」と笑顔を浮かべた。「国会で水鉄砲をぶっ放すシーンは素になってやった。そういうところが三谷作品にはある。俳優が素直に感じたことをやればいいのは、なかなかないこと。俳優陣が本当に楽しんでやっているので、そこを見てほしい」とアピールした。

また、三谷作品初出演となるディーンは「1年間の撮影で皆様と過ごした日々が、ぜいたくで貴重な体験だったと今になって実感しています」と言葉をかみしめた。三谷監督は「初めての人は次をやりたいかが境目になるけど、またやりたい。後半に向かって子犬のような目が印象的でした。今回描き切れていないので、次回作で描きます」と話すと会場から拍手が起こった。

同作について三谷監督は「決して風刺ではない。風刺はその時でしか成立しない。100年後でも楽しめるように政治をファンタジーで作りたかった」と語った。

中井はこの日集まった観客に「日本で初めて見る人です。この映画がヒットしなかった場合、みなさんの責任です」と真顔で話した。「そのくらいの気持ちで見てください。おもしろいと思った方は宣伝していただき、おもしろくなった方は『記憶にございません!』になってください!」とアピールし、会場を笑わせた。