弟子の桂三金(本名・奥野武志=おくの・たけし)さんを脳幹出血で亡くした落語家、桂文枝(76)が11日、大阪・なんばグランド花月で、公演に出演し、集まった報道陣に一礼して退散した。

三金さんは8日まで高座に出ており、9日の朝に倒れ、大阪市内の病院へ運ばれたが、同日夜亡くなった。48歳だった。

文枝は公演後、車に乗り込み、「ひと言お願いします」の問いかけに、後部座席の窓から「明日…」とだけ短く答えた。

所属する吉本興業はこの日の午前、これに先駆けて文枝のコメントを発表。その中で、文枝は「弟子の桂三金が、11月9日朝、自宅で倒れ、意識不明となり緊急入院致しましたが、その日の夜9時36分、あっけなく旅立ってしまいました」と報告していた。

弟子の急死を、落語にたとえて「突然マクラもなしに本題に入り、これからどうなるのかと思う半ばで突然オチをつけて終わった感じでございます」とし、未来の上方落語を担う世代の1人だっただけに「まだまだこれからなのに悔しくて悔しくてなりません。中途半端な終わり方をするなよ! と怒ってやりたい思いです」と悔やんだ。

三金さんは大阪・天満天神繁昌亭で開かれていた8日の「落語家25周年ウイーク」に出演しており、その後、文枝のもとへ「師匠に教わった『大・大阪辞典』ウケました」と電話をしてきていたという。

通夜は12日午後7時から、告別式は13日午前11時から、ともに大阪市北区長柄西1-6-14「大阪北玉泉院」で行われる。喪主は故人の妻、奥野雅子さん。