9日に脳幹出血のため48歳で急死した落語家、桂三金(本名・奥野武志=おくの・たけし)さんの通夜が12日、大阪市北区の「大阪北玉泉院」で営まれた。

師匠の桂文枝(76)、上方落語協会会長の笑福亭仁智(67)ら約550人が参列した。

弔問後、文枝は「弟子であり、大学の後輩だった…」と言葉を詰まらせた。亡きがらと対面したが、直接、声はかけなかったという。「ホンマに…」と言葉を途切れさせると、あふれる涙をこらえ「三金のアホという思いです。もっと一緒におってくれよ」と右手を目に当てた。

大阪府出身の三金さんは、文枝の9番弟子。体重120キロを超える体が特徴的で、師匠の文枝と同じく関西大学の落研(落語研究会)の出身。金融関係の仕事を経て、94年に弟子入りした。師匠譲りの創作落語を中心に手がけ、00年にはNHK新人演芸大賞の優秀新人賞を受賞するなど、将来を期待されていた。

急死にショックを隠せない文枝は「(倒れた)その日の夜に逝ってしまうなんて…。元気な立派な身体…。なんやねん…」と叫び、号泣した。

「結婚してまだ6年、弟子もとったばかり。何を考えとるねん。本当に悔しです。戻ってきてほしいで」とうなだれた。