MDMAを所持したとして女優沢尻エリカ容疑者(33)が麻薬取締法違反容疑(所持)で警視庁に逮捕された事件で、尿検査の結果、MDMAなどの違法薬物の成分が検出されず、使用に関しては“シロ”だったことが20日、分かった。所持量も多くはなく、不起訴になる可能性も浮上してきた。

同日、出演予定だった来年の大河ドラマを放送するNHKの幹部が定例会見を開き、「大変遺憾」と語った。

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組対5課などによると、逮捕した16日に任意で採取した尿を警視庁の科学捜査研究所(科捜研)で鑑定したところ、MDMAを含む違法薬物の成分は検出されなかったという。MDMAの成分は大半が使用から2、3日で体外に排出されるという。沢尻容疑者は、これまでの取り調べでMDMAに加え、「これまでに大麻やLSD、コカインも使った」などと使用を認める供述をしていることから、組対5課は経緯を調べている。関係者によると、使用の裏付けには毛髪鑑定もあるが、使用時期の特定が難しく使用罪の証拠としては不十分だという。

所持していたMDMAが0・09グラム(90ミリグラム)という多いとはいえない量であることから、不起訴になることもあり得るという。川崎つばさ法律事務所の川畑さやか弁護士は「鑑定が陰性であり、さらに所持量が多いとは言えないため、不起訴になる可能性も否定はできない」と指摘。一方で、「基本的に、違法薬物と認識して所持していることが客観的な証拠から明らかであれば、起訴される可能性が高い」と、述べた。沢尻容疑者は家宅捜索の際、自ら捜査員に「ここにMDMAがあります」と申し出たとされている。

沢尻容疑者は今月15日夜、東京・渋谷のクラブに行った。16日朝、都内の自宅に帰ると同時に、組対5課が家宅捜索。アクセサリーケースの中敷きの下からMDMAのカプセル2錠が見つかっていた。

沢尻容疑者の勾留期限は今月26日まで。裁判所が認めればさらに10日間の勾留延長もあるが、川畑弁護士は「本鑑定まで結果が出ているので(勾留延長がなく)10日間もあり得る」としている。