俳優要潤(38)主演のフジテレビ系連続ドラマ「悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲(ソナタ)~」(土曜午後11時40分)の最終回が、25日に放送される。

要が演じるのは、悪徳の汚名をものともせず、法外な報酬を取り、勝訴のためにはどんな手でも使う、悪魔と呼ばれる弁護士・御子柴礼司。凶悪な犯罪の犯人の元少年Aという衝撃の過去を持っている。御子柴の事務所の事務員・日下部洋子をベッキー(35)が、対立する東京地検次席検事の岬恭平を津田寛治(54)が演じる。作家中山七里氏による弁護士御子柴礼司シリーズのドラマ化。

最終回の放送を前に、ベッキーは「もう本当に幸せな現場でした。個人的には反省点しか浮かばないけど、みんなの優しさがすごい印象に残っています。体調が少しつらい時もあったけど、皆さんが優しく接してくれていたので心はずっと穏やかでした。私自身は『優しさ』というものをすごく考えさせられた作品になりました」と話している。

印象に残っているシーンについては「やはり法廷シーン。毎回毎回、要さんも津田さんも渾身(こんしん)の演技で、セリフも完璧で、おふたりの気合というものを感じて『俳優さんって、すごいな』って思いました。あとは(撮影時間が)やたら巻く。最大5時間巻きとか(笑い)。押したとしても10分くらいでしたね。あと怒っている人がほぼいなかったので、こんな明るい健全な現場あるんだと思って『一生このスタッフとドラマできたらいいのに』って思いましたね(笑い)。最終回は1人1人の思いがビシビシ伝わるというか、もちろん主人公は御子柴礼司ですが『あの人の気持ちはこうやって着地するんだ』とか『最終的にこっちの方向に向かうんだ』っていう終わり方がとにかくすてきで、皆さんが誰に思いを重ねるかはわからないですが、ジーンと来る終わりになっていると思います」と話している。

最終回では「大田区資産家夫殺し事件」が結末を迎える。夫殺しの罪で起訴された実の母・成沢郁美(浅野温子)と、妹の梓(森脇英理子)を救うため事件を調べ続ける御子柴(要)。だが、マスコミに過去の事件を暴かれ、裁判の継続すら困難になっていく。御子柴は「弁護士を廃業する」と言い残して姿を消す。洋子(ベッキー)は何とか連絡を取ろうと試みるが、御子柴の行方は分からないままだった。

そんな中、事務所に弁護士の宝来(本村健太郎)がやってくる。御子柴に代わり郁美の事件を担当するというのだ。そんな勝手なことを言う洋子に、宝来は御子柴に頼まれたのだと告げる。そのための金も受け取ったと。

御子柴は本当に廃業してしまうつもりなのかと困惑する洋子だったが、「先生は絶対に戻ってきます」と言って宝来を追い返す。そして新聞記者のあすみ(玄理)とともに郁美の事件を洗いなおす洋子。御子柴は必ず戻ってくる。その時までに少しでも弁護材料を集めておくために。

その頃、御子柴はひとりふるさとを訪れていた。自分が幼少期を過ごした場所。かつて陰惨な事件を起こし、家族を不幸に追いやった場所。そして被害者家族に永遠の苦しみを与えるきっかけとなった場所。

自分は生まれてこなければ良かったのだ。そう思う御子柴のもとに一本の電話が。敵対する検事・岬(津田)からだった。「逃げる気か? 君の帰りを信じ待っている人間がいるぞ」。罪とは何か、罰とは何か。はたして御子柴の贖罪(しょくざい)の結末は…。