城田優(34)が11月にミュージカル「NINE」(東京・赤坂ACTシアター、12月=大阪・梅田芸術劇場)に主演することが20日、分かった。演出は昨年、ロンドンでミュージカル「Violet」を演出した藤田俊太郎氏が担当する。

「NINE」は、イタリア映画界の巨匠フェデリコ・フェリーニの自伝的作品「8 1/2(はっかにぶんのいち)」を原作に、アーサー・コピットの脚本、モーリー・イェストンの作詞・作曲で、82年にブロードウェーで初演。トニー賞で作品賞など5部門を受賞し、09年に映画化された。フェリーニの投影と言われる映画監督のグイードを主人公に、映画創作のスランプと重圧から抜け出す回復の物語と、妻、愛人、女優、母ら9人の女性との愛の物語が並行して描かれる。

城田は先日、役作りのためにイタリアを旅行した。「関係者に『この役に臨むなら、浮名の1つや2つ流した方がいい』と言われたので、何人かとスキャンダルを撮られるつもりが、現地との女性、誰とも会話すら出来ず、残念ながら健全な旅でした」。ただ、再演の舞台で主演したアントニオ・バンデラスが歌う「NINE」の曲を聴きながら過ごし、「何となくのイメージはつかめたはず。同じ欧州でもスペインとは違うイタリア人のおしゃれで面白くモテそうなイメージ。これはいけます」。

配役は未定だが、9人の女優との共演となる。城田は「女性に囲まれる役は初めての経験。すてきな女性たちの力を借りて、頑張りたい。これまで、何本かの映像作品や自身のプロジェクト、昨年はミュージカル『ファントム』の演出など、グイードのように、モノ作りでの迷いや挫折は経験済み。そこはリアリティーをもって体現できると思います」と自信をみせた。