中居正広(47)が21日、都内で会見を行い、3月いっぱいでジャニーズ事務所を退所し、独立することを発表した。

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巧みなトークで、「しゃべり」に目が行きがちな中居だが、真骨頂は「聞く力」にある。

五輪やWBCなど、スポーツ関連のキャスターやサポーターを長年務めている。豊富な知識を持つだけでなく、選手と視聴者との懸け橋になることを意識する。時には素朴な質問を選手にぶつけ、視聴者の好奇心に応える。野球日本代表の稲葉篤紀監督からは「中居さんが発信することによって、野球を知らない方でもたくさん見てくれるし、魅力を伝えることができる」と絶賛されていた。

バラエティー番組でも同様だ。日本テレビ系「新・日本男児と中居」では、独特な価値観を持つ個性的なゲストたちに対し、ざっくばらんに疑問を呈す。「それって、おかしくない?」「絶対、変でしょ!」。ゲストには一般人も多く出演するが、初対面の相手でもあえて距離を縮めることで、本音を聞き出す。

昨年11月、「侍ジャパン公認サポートキャプテン」を務めた「世界野球プレミア12」の開催中に取材をした際には、野球担当の記者に対して「明日の結果次第では、明後日は消化試合になりますもんね。その場合、●●投手を投げさせるんですかね? どう思います?」と“逆質問”する一幕もあった。

親しい関係者は「中居さんはすごくフラットで偏見のない人。自分の考えに固執することなく、記者や番組関係者にもよく意見を求めています。その分、インターネットから情報を得ることは少ない。とにかく直接会った人からの話を重視しているんでしょう」と話す。フェース・トゥー・フェースの高い「質問力」が、中居を一流のタレントに押し上げたのだろう。【横山慧】