沢村一樹主演(52)のフジテレビ系連続ドラマ「絶対零度~未然犯罪潜入捜査~」(月曜午後9時)の第8話が、24日に放送される。

日本国民のあらゆる個人情報や全国の監視カメラの映像などが集約されたビッグデータを解析し、AIが統計学的に割り出した“未来の犯罪者”を、潜入・追跡捜査して犯罪を未然に防ぐ未然犯罪捜査対策準備室・通称「ミハン」。この特命班のリーダーを務める井沢範人(沢村)は、元公安のエリート刑事。だが、ミハンシステムによるテストケース「0号」の冤罪(えんざい)事件が原因で、妻と娘を無残に殺された過去を持つ。普段は物腰も柔らかく、飄々(ひょうひょう)としていてつかみどころがない井沢だったが、その裏側には刑事としての一線を越えてしまいそうな凶暴性も内包しており、警察上層部からも危険視されていた。

上司でミハン統括責任者の香坂朱里(水野美紀)とともに、法務省から派遣されてきた法務官僚・北見俊哉を演じているのが上杉柊平(27)だ。「香坂(水野)さんと一緒にいることが多いので、香坂さんをどう見せていくのか、ということや、僕が演じる北見をどう見せていくのか、という部分について考えていました。ただ、北見がこの後どうなっていくのかは分からなかったので、そういう意味での難しさも感じてはいましたけど、演じる上ではいろいろやれることもあると思った。なるべくフラットな姿勢でいよう、ということですね。香坂さんも最初はフラットですけどいろいろ動いていきますし、謎も多くてクセ者的な存在でもあると思うので、そこを強調するという意味でも、僕はフラットでいくべきだなと思いました。なるべく背中をピシッと伸ばして、足を少し開いて立つように意識しています」。

「もしかしたら、北見はすべて知っているのかもしれません。香坂が失脚したら自分が、という野心もあるかもしれないですし。もしそうだったらそれもいいですね(笑い)。そもそも、官僚になってものすごい競争の世界にいるのなら、そういう野心も持っているんじゃないかと思うんです。この作品に登場するエリートや上層部の人間は、それぞれ何らかの思惑があって行動していますからね。個人的には、めちゃくちゃ悪いキャラクターでいたいという思いもあるんですけどね」と話している。

第8話では、ミハンが探知していたものの、捜査できていなかった3人の危険人物が失踪していた。地権者から土地をだまし取り、殺害しようとしていた不動産詐欺師、借金を返せない相手に保険金をかけて殺そうとしたSNS闇金の経営者、水上バイクで女性をひき殺した事故をもみ消したうえ目撃者の命まで狙った政治家の息子。

井沢(沢村)たちの元へやってきた公安部部長の曽根崎正人(浜田学)は、かつて、法で裁けない犯罪者を闇に葬っていたミハン捜査員の田村薫巡査部長の話を持ち出し、その役目が引き継がれていると指摘する。実は、井沢たちが逮捕することが出来なかった大手フィットネスクラブ社長の仁科紗耶香(佐藤江梨子)も失踪していた。凶悪犯が拉致され、殺害されている可能性があった。

ミハンメンバーの誰かが一連の連続失踪事件に関わっているのか。まるで井沢が犯人だと言わんばかりの口ぶりで話す曽根崎。それに対してミハン統括責任者の法務官僚の香坂(水野)は、ミハンメンバーの中に殺人者がいないことを証明するために真相を突き止める、と宣言する。

3件の失踪者を調べると、彼らが拉致されたと思われる場所には、いずれも防犯カメラがなかった。だがミハンは、ドライブレコーダーなど足を使った捜査で、犯人と思しき人間が映った画像を入手する。その画像とミハンメンバーを歩容認証で照合してみる。浮かび上がる意外な人物。犯人はいったい誰なのか。そして、物語は未来の謎へとつながっていく。