TBS系大ヒットドラマ「半沢直樹」の最新作(同名タイトル、4月スタート、日曜午後9時)が23日、都内のオフィス街でクランクインし、堺雅人(46)が7年ぶりに半沢を演じた。前作は、銀行を舞台にした痛快な逆転劇が描かれ、キメ言葉の“倍返し”は社会現象にもなった。新作に挑む堺は「みなさんと力強い『倍返し』を作っていきたい」と意気込みを語った。

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日曜日の早朝、通行人もまばらな都心のオフィス街に、100人以上の撮影スタッフ、エキストラらが集まった。ピリッとした緊張感が漂う中、リラックスし、笑みを浮かべながら堺が登場した。いよいよ、驚異的な視聴率でドラマ史に残る伝説的ドラマの続編の撮影スタートだ。

「クランクイン、お願いします」とスタッフから声が掛かると、堺はTBSの幹部やスタッフ、共演者たちを前に「頑張りましょう!」と力強く気合を込めた。

前作は、東京中央銀行の行員、半沢直樹が銀行内で行われていた数々の不正を、苦境に陥りながらも“倍返し”しながら明らかにしてきた。だが、功労者であるはずの半沢は、最終回では、子会社への出向を命じられるという衝撃の展開で終了した。新作は出向先である東京セントラル証券の営業企画部長・半沢直樹に巻き起こる事件が描かれる。

最初のカットは、堺演じる半沢が、東京セントラル証券の幹部と銀行に呼び出され本店に向かうシーンだ。この銀行の外観は、前作でも何度もロケに使われた場所。カメラが回り始めると、半沢直樹が憑依(ひょうい)したかのようにりりしい表情を浮かべ撮影がスタートした。クランクイン初日は、夕方まで都内各所で撮影が続いた。

堺は、7年ぶりのクランクインについて「自分としては『しばらく止まっていた時計がもう1度動き始める』感覚なのかなと思っていました。でも、福沢(克雄)監督はじめ皆さんの時計が止まっていなかったんですね、きっと。半沢以降に生まれたどの福沢作品にも、東京中央銀行は出てくる。その間、監督をはじめとしたスタッフさんの中で“半沢”は生き続けていたんだと思います。むしろ、チームの中で、“半沢”は成長すらしていたのかもしれない、そう思わされたクランクインでした。初日から、本当にすごい勢いです」と振り返った。

そして、「今回の敵も強烈ですごい方ばかりだと聞いております。みなさんと力強い“倍返し”を作っていきたいです」と意気込んだ。【上岡豊】

◆半沢直樹アラカルト

▼池井戸作品 直木賞作家池井戸潤氏の原作。前作は、小説「オレたちバブル入行組」「オレたち花のバブル組」を元に13年7~9月放送。型破りな銀行マン、半沢直樹が銀行内外の敵と戦う物語。半沢の決めゼリフの「倍返し」が流行語になった。池井戸作品は、TBSでは「ルーズヴェルト・ゲーム」(14年)「下町ロケット」(15年、18年)「陸王」(17年)「ノーサイド・ゲーム」(19年)も放送され、いずれも高視聴率を記録している。

▼平成ドラマ1位 最終回の視聴率は42・2%(ビデオリサーチ調べ・関東地区)という驚異的な数字を記録。平成に放送されたドラマで視聴率1位となった。

▼最新作 4月からの新作は、小説「半沢直樹」の「ロスジェネの逆襲」「銀翼のイカロス」が映像化される。前作後の半沢の活躍が描かれる。