バイオリニスト川井郁子(52)が出演するテレビ東京系「100年の音楽」(金曜午後9時54分)が、3日(この日は午後10時48分)に放送10年目を迎える。バイオリンで音楽の魅力を伝える川井が、このほどインタビューに応じた。

「100年の-」は、クラシック、ポップス、歌謡曲などあらゆるジャンルの音楽を選曲・アレンジし、川井のバイオリン演奏で新たな一面を見せる番組。ミニ枠としては異例の長寿番組となり、川井は「本当にありがたいと思います。この番組がなかったら弾こうと思わなかったような曲も、すごくバイオリンに合うんだという発見もありました」と振り返る。

ショパンのピアノ曲から石川さゆりの「津軽海峡・冬景色」、映画「男はつらいよ」の主題歌までジャンルはさまざま。印象的だったのはアニメ「宇宙戦艦ヤマト」のテーマといい、「この番組で初めて弾きました。すごくバイオリンが歌うように弾ける」と笑みを浮かべる。

川井のバイオリンをメインに、編成は和楽器、ラテン楽器など放送ごとに変わる。収録はいつも刺激的で「クラシックの曲を和楽器でやるとこんなに合うんだっていう発見もいっぱいあったし、ラテンの曲は、バイオリンで迫力はどうかと思ったけれどもすごくかっこよくなった。すごくうれしいですね」。また「バイオリンやクラシックの敷居が高いとか、ちょっと自分には、と思っている方の入り口になってくれるといいなと思っています」と話した。

新型コロナウイルスの感染が広がり、自身もコンサートの中止や延期が続く。川井は「収束を願っています。出口が見えないのがつらいですね」。外出自粛の動きの中でも「バイオリンならではのコンテンツを考えたいと思っていますし、まさにこういう番組はテレビで楽しんでいただける。コンサートにいらっしゃれない方にも楽しんで欲しいです」と呼び掛けた。

番組を担当する増田武史プロデューサーは「先日、若いスタッフと話しているときに『憧れのこの番組に携われてすごく光栄です』と言われました。決して自分が『憧れている』と言われたわけではないのですが、すごくうれしかったですし、『ああ、番組が長く続くっていうのはこういうことなんだな』と改めて思いました」。また「これからも“楽しい人にはよりハッピーに、悲しい人には少しでも気分が晴れるように”、100年たってもなお人の心に残り続ける名曲を、日本を代表するバイオリニスト・川井郁子さんの演奏でお茶の間にお届けできればと思っています」とコメントした。【遠藤尚子】