新型コロナウイルス感染による肺炎で亡くなった志村けんさん(享年70)が主演予定だった、山田洋次監督の最新映画「キネマの神様」(12月公開)について松竹は3日、同ウイルス感染拡大防止の観点から、撮影を約2週間見合わせることを発表した。4日から撮影を見合わせ、再開スケジュールは状況を見ながら判断する。志村さんに代わる出演者については、引き続き調整中としている。

同作は、映画撮影所で夢を追いかけていた主人公ゴウと仲間、家族を描いた物語。志村さんと菅田将暉(27)がダブル主演し、主人公の過去と現在を演じるはずだった。志村さんは今月上旬の撮影を前に肺炎治療のため降板した。若い日のゴウのパートは3月末で撮影が終了。菅田は志村さんが亡くなった後、ラジオで「必ずすばらしい作品にしなきゃいけない」などと決意を語っていた。

松竹の大角正常務取締役映像本部長は、報道各社へ書面を通じ「悲しみをこらえ、映画を完成させることこそが、志村さんに喜んでもらえることなんだ、という強い思いを抱きながら、、撮影の準備を進めておりましたが、山田監督、キャスト、スタッフへの感染拡大防止の観点から撮影を見合わせることにいたしました」とコメントした。