先日、オンライントーク企画「歌舞伎家話」に出演する松本幸四郎と尾上松也によるオンライン会見を取材した。Zoomを使ったもので、私も参加したが、相手の映像はちゃんと見えたし、声も聞こえるのに、私の映像も声も相手側には届いていなかった。

そこで、気が付いた。会社から貸与されているノートパソコンには「カメラ」機能がなかったことを。かなり以前に貸与されたもので、旧式のものだった。聞くと、「ウエブカメラ」を買うと、対応できるということなので、近くの量販店に行ってはみたものの、品切れで在庫はなかった。

結局、私だけ、映像・声なしで参加し、映像を通してのやりとりを見て、聞くだけの取材になってしまった。でも、正直言うと、面白い体験だった。1対1で取材しているような感覚で、幸四郎も松也もいつもの会見に比べてリラックスしていたのが印象的だった。何より、その表情がアップで、しっかりと見えた。

記者生活も42年だが、こういう「初体験」ができるから楽しい。記者生活もあと半年と残りわずかしかないけれど、今度は、どんな「初体験」が待っているのかな。