史上最年で億万長者となったタレントでファッションモデルのカイリー・ジェンナー(22)が、自身のコスメブランド「カイリーコスメティックス」の売り上げと収入を粉飾していたとして、米経済誌フォーブスの「史上最年少ビリオネア(億万長者)」の称号を剥奪された。

2015年にカイリーコスメティックスを起業して大成功を収めた若き実業家としても知られるジェンナーは、19年にフォーブス誌によって「自力で億万長者になった史上最年少の人物」に認定され、今年4月には総資産が10億ドルを突破したとして2年連続で億万長者の称号を与えられていた。

しかし、そのフォーブス誌が自ら「カイリー・ジェンナーのうそ八百-なぜ彼女はもう億万長者ではないのか」と題した記事を発表し、ジェンナーの売り上げ詐称を報じた。

記事によると今年1月にカイリーコスメティックスの株式51%を美容大手コティに売却した際に企業価値は12億ドルであると伝えられ、これによって億万長者であるとみなされたという。

起業から1年半で4億ドルを売り上げ、ジェンナーの収入は2億5000万ドルだったと納税書に記載されていたが、実際の売り上げと収入はその半分にも満たない額で、偽の納税申告書を顧問会計士に作成させていたと伝えている。

フォーブス誌は納税申告書などに基づいてジェンナーの個人資産を9億ドルと推定して19年に億万長者に認定したが、新たな情報を基に新型コロナウイルスの影響による売り上げ減も考慮した結果、「もはや億万長者ではない」との結論に至ったと説明。史上最年少億万長者の称号を取り消すと伝えている。

ジェンナーはツイッターで「朝起きたらこんなニュースを目にするなんて。フォーブスは信頼できるサイトだと思っていたのに。不正確な数字や推測だらけ。称号が欲しいって頼んだことはないし、そのためにうそをついたことなんてないわ」と記事を否定している。(ロサンゼルス=千歳香奈子)