石橋蓮司(78)が3日、都内で行われた主演映画「一度も撃ってません」(阪本順治監督)公開記念トークショーで、生電話で参加した共演の佐藤浩市(59)と“親子3代トーク”を展開した。その中で、佐藤が同作に出演した息子寛一郎(23)への思いを吐露する一幕があった。

「一度も撃ってません」では石橋が小説家、佐藤と寛一郎が編集者を演じている。この日、通信事情が悪かったのか、生電話で参加した側の俳優陣から、石橋と阪本監督の声が聞こえないという声が相次ぎ、佐藤の電話もかかって、すぐに切れてしまった。佐藤が「切らないでよ。電話が押すだろうと思って上でシャワーを浴びていたよ」と苦笑した。石橋は「この野郎…しょうがねぇ野郎だな」と笑った。

佐藤は「石橋蓮司さんを、褒めれば良いんですよね。いやぁ…蓮司さんはすごいですよ」と切り出した。石橋は「ワザとらしい…心のこもってないヤツだな、お前。俺はお前と3世代、付き合っているんだぞ。気を付けろ、ネタはいっぱい持っているんだぞ、俺」と、佐藤の父三国連太郎さんからの付き合いがあると強調。佐藤は「俺、蓮司さんがすごいなと思うのは、この40年、居ずまいが変わらないということですよね。現場の居方、俺たちに対する接し方とかもさ、最初からずっと一緒だもん。俺…それ、すごい、素晴らしいと思いますよ」と石橋の俳優としてのあり方をたたえた。

石橋は「お前がデビューした頃から、これは素晴らしい俳優が出てきたって、褒めたたえていたんだから。雑誌にも書いちゃったしさ…見られたら恥ずかしい。ウソでしたって言えないんだから」と笑った。その上で「息子とやって、また息子も素晴らしくてビックリしたんだけども…もう、お前のうちの世代には役者押して驚かされているよ。ビックリだよ。素晴らしい一家だと思うよ」と共演した寛一郎のことも褒めた。

佐藤は「親子3代…もし三国連太郎が、石橋蓮司をいじめていたらどうなっていただろう」と笑った。石橋が「でも三国さんには、ずいぶんウソつかれましたけどね」と突っ込むと「それは性癖なんで、勘弁してください」と返した。

阪本監督から「最近、寛一郎君とは会いましたか?」と質問すると、佐藤はコロナ禍において若手俳優が置かれている状況を語り出した。

佐藤 最近、会ってますよ。あれ(寛一郎)も…今、若い役者たちは今1番、辛抱だと思う。僕ら中堅以上のベテランからすると、逆にかわいそうだよね。何を辛抱していいのか、そこら辺の、こらえどころが分からない状況に自分を置いていると思うから。でも、映画が公開されていく度に、何かが報われていくと思うし、自分にとっての糧にはなると思うし。

佐藤は、そこまで語り終えると「これ、マスコミも聞いてるんだよね、考えてみたら?」とメディアも生電話を聞いているという事実に気付いた。そして、石橋と阪本監督に「あまり、こういう話、させないでよ。普通に電話で阪本さんと蓮司さんと、話しているみたいな感じでしゃべっているけど」と照れたように口にした。