先月末に行われた、テレビ東京の記者懇親会に参加した。年2回行われる懇親会は、局のことや番組のこと、今後の取材の種になりそうなことを局幹部や番組制作者たちに直接聞ける貴重な機会だが、しかしこのご時世、飲食店を貸し切って通常通りに行うことはできない。ということで広報局から案内されたのが、Zoomを使った「オンライン記者懇親会」なるものだった。

「創意工夫の局」と認知されて久しいテレ東だが、そのイズムは制作サイドだけでなく事務方にも浸透しているらしい。当日は石川一郎社長、BSテレ東の田村明彦社長、新聞各社の放送担当記者が参加の上、パソコンのモニター上で顔を合わせた。両社長のあいさつに始まり、幹事社の乾杯の音頭、注目番組の紹介など大まかな進行はいつもの懇親会と同じだが、Zoomで行われていることに常に不思議なおかしみが付きまとう。リモート会議やウェブ会見のように一見硬そうな形を取りながら、会社のトップたちが硬軟で言えば「軟寄り」の質問にも答えてくれることも楽しかった。

小孫茂会長も会の中盤から参加した。6月から現職となり、仕事面での変化やコロナ禍の過ごし方などを話してくれた。オフレコが前提の会なので詳細は記さないが、一通りしゃべった後に「これ(=オンライン懇親会)全然面白くないね」とひと言。率直な話しぶりは、今は出席しなくなった定例社長会見の時と変わらなかった。

通常なら中止となるところ、何とか開催しようとアイデアを凝らすところがテレ東らしい。人が集まって懇親会ができる世の中を願ってはいるが、第2回があったら…それはそれで面白いような。