歌手Toshl(54)が22日、東京オペラシティーコンサートホール タケミツメモリアルで、コンサート「たった一人だけのコンサート『運命』龍玄とし」を開催した。

客前で歌うのは今年1月のディナーショー以来約8カ月ぶり。

同ホールはクラシックコンサートも行う国内最高峰クラスの音響を誇る。客席数約1600席にたった1人のお客さんを入れて行う、超豪華なコンサートとなった。

コロナ禍において「今だからこそできること」をずっと考えてきたToshlが出した答え。それがこのコンサートだった。「推しのアーティストがいて、自分だったら、何をしてもらったらうれしいかを考えて、やっぱり“僕のためだけに歌って欲しい”と浮かんできた」と、逆転の発想だったことを明かした。

数百万円かかる運営費に対してチケットは1人3万円。まさに、採算度外視だ。「今だからこそで、こんな機会はめったにないし、最初で最後かもしれない。だから周りに相談して、最終的には説き伏せてやらせてもらうことになった」。そこには金銭以上に得られることがあると確信している。「来ていただく方やこの夢の企画に応募していただいた方みんなが、ワクワクした気持ちをシェアできるのが、今とても大事なことだと思う。みんなで前向きに明るい気持ちになれることを実行していくことが1番大切」と力説した。

“運命を切り開く”を掲げて「プロジェクト運命」を立ちあげた。「僕もすごくワクワクしている。夢のような気持ちでドキドキしているし、僕がお客さんだったら一生忘れないと思う。お互いがこれを一生の思い出にして、次のステップに踏み出したいなと思う」と話した。

お客さんのリクエストにも応じた。約1万人の応募から夢を手にした1人、都内在住46歳の男性会社員は「夢のような空間でした。リクエストした曲で一緒に歌えて、一生の宝物になった」と感動した。3万円のチケット代も「値段は関係ない」と話した。

Toshlは「一歩前へ踏み出すような、明るく、勇気づけられるようなことをこれからも発信し、実践していきたいと思うので、一緒に運命を切り開いて、楽しんでいきましょう」とメッセージを送った。

この日、計4回のコンサートを行い、そのうちの1回はペア2組4人が参加。合計7人が夢の時間を楽しんだ。