漫画家・吾峠呼世晴(ごとうげ・こよはる)氏原作の人気漫画「鬼滅の刃」のアニメ映画化した「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」(外崎春雄監督)公開御礼舞台あいさつが31日、都内で行われた。席上で、主人公竈門炭治郎(かまど・たんじろう)を演じた声優花江夏樹が、公開から16日のこの日、観客動員が1000万人を突破したと発表した。

既に公開から10日の25日時点で、興行収入(興収)107億5423万2550円、動員798万3442人を記録。興行収入で日本歴代最高の308億円を記録した宮崎駿監督の2001年(平13)のアニメ映画「千と千尋の神隠し」が持っていた、興収100億円を突破の最速記録25日を19年ぶりに、大幅に更新していた。

花江は「10月16日に公開の『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』。たくさんの方にご覧いただき、なんと本日観客動員1000万人を突破いたしました!」と声を大にして伝えた。劇中で炎の呼吸を使う炎柱・煉獄(れんごく)杏寿郎を演じた日野聡が「よもやよもやだ!」と喜ぶと、観客からは割れんばかりの祝福の拍手が送られた。

映画の終盤で煉獄と激闘を演じた上弦の参の鬼・猗窩座を演じた石田彰は「皆さんご覧いただいたように無限列車編はこのような形で着地をしました。おそらくみなさんの記憶の中では煉獄さんが! !という気持ちでいっぱいになっているかと思いますが、冷静になってください。(史上最強の敵の)魘夢(えんむ)すごい気持ち悪かったでしょ、炭治郎の夢がでてきて『ああ、この夢が続けばいいのに』と思ったでしょ、そういうことを思い出すためにまた劇場へ来てくださればと思います」と観客に呼びかけた。

日野は「この無限列車編に関わるすべての皆様が心を燃やして挑みました。世界中が大変なときだからこそ家族との愛、命の在り方、生きるというこの現実を受け止めながらも前に進むというメッセージを本作から受け取っていただければと思います」と観客に作品に込めた思いを訴えた。

花江は「たくさんの方々に楽しんで頂けて感謝です。これからも炭治郎を演じることができた喜びと煉獄さんから贈られた言葉を忘れずに今後も頑張っていきたいと思います!」と笑みを浮かべた。

「鬼滅の刃」は、2016年2月15日発売の「週刊少年ジャンプ」で連載がスタートし、5月18日発売の同誌まで4年3カ月の間、休載なしで205話、掲載された。大正時代を舞台に、炭治郎が家族を殺した鬼と戦うために修業して「鬼殺隊」に入隊し、鬼と化した妹禰豆子を人間に戻す方法を探して戦っていく物語。19年4月から9月までアニメが放送され、人気が爆発的に高まった。

今回の劇場版では40人以上の行方不明者を出しているという無限列車を舞台に、炭治郎たちと魘夢との激闘が描かれた。炎の呼吸を使う炎柱・煉獄(れんごく)杏寿郎が、任務に挑む姿が初めて描かれたことが話題で、後輩の炭治郎らに激励の言葉を投げかけるシーンが感動を呼んでいる。