漫画家・吾峠呼世晴(ごとうげ・こよはる)氏原作の人気漫画「鬼滅の刃」をアニメ映画化し、10月16日に封切られた「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」(外崎春雄監督)が23日に興行収入(興収)259億円を突破した。製作、配給のアニプレックスが24日、発表した。興収259億1704万3800円、動員1939万7589人を記録した。

日本歴代最高の興収308億円を記録した、宮崎駿監督の01年のアニメ映画「千と千尋の神隠し」以下、過去、日本国内で興収250億円を突破したのは、これまで

<2>「タイタニック」(97年)262億円

<3>「アナと雪の女王」(14年)255億円

<4>「君の名は。」(16年)250億3000万円

の4作品のみだったが「アナと雪の女王」、「君の名は。」を超えて歴代3位に浮上した。

「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」は、公開から10日の10月25日時点で、興収107億5423万2550円、動員798万3442人を記録。「千と千尋の神隠し」が持っていた、興収100億円突破最速記録の25日を19年ぶりに15日間も更新した。さらに公開から17日の1日には、興収157億9936万5450円、動員1189万1254人を記録し、興収150億円を突破。8日には興収204億8361万1650円、動員1537万3943人、15日には興行収入233億4929万1050円、動員1750万5285人を記録した。

「鬼滅の刃」は、16年2月15日発売の「週刊少年ジャンプ」で連載がスタートし、今年5月18日発売の同誌まで4年3カ月の間、休載なしで205話、掲載された。大正時代を舞台に、主人公竈門炭治郎(かまど・たんじろう、声=花江夏樹)が家族を殺した鬼と戦うために修業して「鬼殺隊」に入隊し、鬼と化した妹禰豆子(ねずこ、声=鬼頭明里)を人間に戻す方法を探して戦っていく物語。19年4月から9月までアニメが放送され、人気が爆発的に高まった。

今回の劇場版では40人以上の行方不明者を出しているという無限列車を舞台に、炭治郎たちと史上最強の敵・魘夢との激闘が描かれた。テレビシリーズにも出ていた鬼殺隊の最高位“柱”の1人で、炎の呼吸を使う炎柱・煉獄(れんごく)杏寿郎(声=日野聡)が、任務に挑む姿が初めて描かれ、後輩の炭治郎らに激励の言葉を投げかけるなど、おとこ気のある姿勢に共感の声が相次いでいる。

映像美も評判で、終盤に煉獄が上弦の参の鬼・猗窩座(あかざ、声=石田彰)と激闘を演じるシーンをはじめ、アニメを超え、実写の質感があると評価が高い。

「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」は、21日からの3連休で

21日:興収4億3960万6550円、動員31万4726人

22日:興収5億9273万8550円、動員43万3315人

23日:興収4億6011万250円、動員35万7741人

を記録。国内では3連休に「Go To トラベル」で各地に旅行する人が増えたが、「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」を見に劇場に足を運ぶ「Go To 鬼滅」の客足も、とどまるところを知らない。次週にも、歴代興収ランク2位の262億円を記録した「タイタニック」(97年)超えは決定的な状況だ。