1億ドル近い製作費をかけたDC映画「バットガール」が、撮影が終了しているにもかかわらずお蔵入りすることが明らかになった。米CNNによると、同作は今年後半にHBO Maxで配信される予定だったが、ワーナー・ブラザースが戦略的変化を理由に公開の中止を決めたという。

今後劇場で公開されることもないという異例の事態に、メガホンを取ったアディル・エル・アルビ監督は「とても悲しく、ショックを受けている」とインスタグラムで心境を綴っている。テスト試写での反応が悪かったことが理由だとされているが、ワーナー・ブラザースは主演の女優レスリー・グレースの演技が影響したものではないとコメントしており、製作者やキャスト陣への感謝の言葉を述べている。

同作はバットマンの協力者として知られるゴッサム市警のジェームズ・ゴードン本部長の娘バーバラ・ゴードンがバットガールとして活躍する作品で、グレースがバットガール、俳優マイケル・キートンがブルース・ウェインことバットマンを演じていた。グレースは7カ月間にわたった撮影を誇りに思うとコメントし、「ケープを着てバットガールになれた」と感謝の言葉を述べている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)