日本や韓国など、国境の垣根を越えたメンバーが在籍するグループが増加している。韓国発のガールズグループ、Rocket Punchもそのひとつ。韓国出身の5人と元AKB48のジュリ（高橋朱里、24）の6人で結成し、19年にデビュー。コロナ禍に見舞われながらも、今年6月にはついに日本のファンの前で初パフォーマンスも披露した。その魅力に迫るべく、日本滞在中にインタビューを敢行。10～20代の若さあふれる6人の掛け合いをお楽しみください。【松尾幸之介】
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6人は6月29日発売の日本初シングル「Fiore（フィオーレ）」のプロモーションで約2年半ぶりに来日した。前回はガールズアワード出演で来ており、滞在は2日間ほど。今回は約1カ月で、仕事の合間には日本食のほか、若者の街、渋谷をはじめ、浅草などにも出かけて日本を満喫したという。
ジュリ プリクラも撮りに行きました。韓国にも似たものはあるんですけど、加工とかもないシンプルな感じで。すっぴんでも顔がかなり変わったのが面白くて楽しんでいました。
スユン プリクラとかを6人で一緒に撮ったことは今までなかったので。思い出がたくさん作れました。
ソヒ プリクラはお財布に入れてます！
ジュリ みんなコンビニやドン・キホーテとかにすごく感動していて。日本語の表記とかにも。日本の食べ物も好きみたいですね。
ソヒ 私はみたらし団子とか、お餅が好きです！
スユン 私は日本の歌も好きで優里さんの「ペテルギウス」や「ドライフラワー」、米津玄師さんの「Lemon」、ヨルシカさんとかを聴いています。
日本での活動は早期から計画されていたが、コロナ禍の影響で遅れることに。今回は来日期間中だった6月29日から7月3日まで、東京・ラフォーレ原宿でグループの世界観などが味わえる展示イベント「Rocket Punch Park」も開催。ミニライブも行い、ついに日本での初パフォーマンスも実現した。
ダヒョン ついに会うことができて、みなさんが幸せそうに見えたので、うれしかったです。
ユンギョン 直接会える活動ができていなかったので楽しかったですね。
ソヒ 日本のファンの方はみんな優しいし、話をする時に相づちを打ってくれたり、リアクションがかわいいです。みんなでかわいい、かわいいって言っていました。
スユン 日本にいる日本の方たちなのに、韓国語で話しかけてくれる方が多くて逆に感動しました。「きれいです」とか「うれしい」とかいろいろ話してくれます。
メンバーは日本語のレッスンもしっかりと受けている。6人全員で共同生活を送る韓国では、ジュリが韓国語、ほかのメンバーは日本語でそれぞれ会話するなどしてお互いの語学力を鍛えてきた。その効果もあり、今回の取材もほぼ全て通訳なしで対応。常に笑いが絶えず、6人の雰囲気はとても良好に見えた。
ユンギョン 6人ひとりひとりに個性があって、それがひとつになることで6倍のシナジーを生んでいます。それをみなさんに見せたいです。
ジュリ 韓国ではグループ全員で生活するのは当たり前になっています。一緒に仕事に行って帰ってきて。もう3年になります。個人の時間もちゃんとありますけど、場所は同じ。（現役女子高生の）ダヒョンは早起きです（笑い）。いつも一生懸命早く起きて出発しています。
グループ名には「退屈な日常に飛ばす新鮮な一発のパンチ」という意味が込められている。韓国ではバラエティー番組などにも多く出演しており、特技なども披露して視聴者を楽しませているという。鍛えられたせいもあってか、公式プロフィルを見ると「みかんの皮アート」「ウインクの速さ」「あっちむいてホイ」など、6人それぞれが少し変わった特技を持っている。
ジュリ 特技は流行にも合わせてやっているので、コロコロ変わります（笑い）。私は韓国語もそこでたくさん失敗させてもらって学びましたね。ヨンヒとソヒは（アニメ「SPY FAMILY」の）アーニャのものまねもできて、日本のファンの方に披露してます。
グループ名にちなみ、それぞれの最近”パンチ”したエピソードも聞いた。
ソヒ 久しぶりにジグソーパズルをしました。ゲームのキャラクターのパズルです。
ジュリ ソヒは「君の名は。」とかも好きで、韓国でそのパズルを買って、部屋に張ってます。
ヨンヒ 少し違うんですけど、日本で雨が降った日があって。傘がなかったので、コンビニでもらった袋を頭に乗せて走りました（笑い）。黄色い袋で、色がかわいかったから。
ジュリ それドン・キホーテのやつでしょ（笑い）。日本ではみんな見たら分かるよ。
ヨンヒ それはちょっと恥ずかしい（笑い）。でも、私はわからなかったからいいです（笑い）。
ジュリは韓国へ向かう前は高橋朱里としてAKB48でも活躍していた。他のメンバーもAKB48についてはよく知っていたという。高橋以外にも、同じ48グループのHKT48に所属していた宮脇咲良（現LE SSERAFIM）ら海を渡ったメンバーはおり、今も連絡を取り合いながらお互いの活動に励んでいるという。
ジュリ （宮脇とは）連絡しています。ずっと仲良しで。すごく支えてくれるし、共感できることもあるし、日本人メンバーで理解できる大変さもあるので。大切な戦友ですね。
今回発売した「Fiore」は女性が思いを寄せる男性について歌った楽曲。ジュリは日韓の楽曲の違いについても語った。
ジュリ 日本のアイドルとK－POPでトレーニング内容が違うのは有名だと思いますが、表現する歌詞に大きな違いがあるなと感じました。日本のアイドルの時は学生時代のリアルな尊さとか、いそうでいない女の子を表現することがすごく多かったです。それが人気で魅力的でしたけど、韓国で出会う曲は本当に全部「私を見て！」みたいな（笑い）。自信満々な感じを出さないといけなくて最初は大変でした。ただの日常的な自分では全然表現できなくて。自分に自信がないとだめだし、みんなが納得するビジュアルでもなければいけない。日本のアイドルも違う意味で努力は必要ですけど、こっちに来て日本よりもトレーニングが多い理由がわかりましたし、K－POPのイメージの中身を知ることができて、今、すごく楽しいです。努力に終わりがないですね。
スユン 確かに全然違いますね。日本の曲は胸が痛いくらい悲しい歌詞を使っている印象です。
今後、グループは日本をはじめ、海外での活動も本格的に始めていく。最後に、この先の目標も聞いた。
ダヒョン 日本では音楽番組に出てみたいです。特徴的な歌とダンスとか、チームワークもパフォーマンスに出ていると思います。
ソヒ そうですね。やっぱりファンの方と会えるコンサートやファンミーティングを多くやっていきたいです。
ユンギョン これからも頑張りますので、Rоcket Punchを愛してください！
ヨンヒ 今回の楽曲でも私たちの魅力が見えると思います。次はみなさんにステージも見て頂いて、私たちを100％感じてほしいです！
◆Rocket Punch 韓国で多くのアイドルグループを手掛けるWооllim Entertainment所属の6人で結成。練習期間を経て19年8月にミニアルバム「PINK PUNCH」で韓国でメジャーデビュー。日本では21年8月発売のミニアルバム「Bubble Up！」でデビュー。ジュリ、スユン、ソヒは18年放送の日韓合同オーディション番組「PRODUCE48」にも参加していた。ファンの呼称は「Ketchy」。
◆ジュリ 1997年（平9）10月3日生まれ、茨城県出身。11年2月にAKB48に12期生として加入。19年5月の卒業後に韓国へ渡り、再デビュー。最近はラップも練習中。特技はウインクの速さ、セクシーキューティー表情。身長160センチ。血液型A。
◆ヨンヒ 2000年（平12）12月6日生まれ、韓国出身。練習生期間が最も長く、グループのリーダー。どんなコンセプトでも表現できるオールラウンドな才能を持つ。趣味は数独、ライブ映像観賞。特技はあっちむいてホイ、スケート。身長161センチ、血液型B。
◆ユンギョン 2001年（平13）11月1日生まれ、韓国出身。スカウトで現事務所入りしたビジュアル担当。クールに見られがちだが、自覚するチャームポイントは「笑顔」。趣味は美容動画観賞。特技はレモンの早食い、にらめっこ。身長161センチ、血液型O。
◆スユン 2001年（平13）3月17日生まれ、韓国出身。メンバー最長身で、歌って踊れるパフォーマンスの要。趣味はカラーリングブック、写真を撮ること。特技は立ち幅跳び。身長169センチ、血液型A。
◆ソヒ 2003年（平15）8月14日生まれ、韓国出身。まだ10代で普段の無邪気な部分とステージ上での大人びたパフォーマンスのギャップが人気。趣味はYоutubeを見ること、音楽を聴くこと。特技は剣道、ものまね。身長161センチ、血液型A。
◆ダヒョン 2005年（平17）4月29日生まれ、韓国出身。最年少メンバーで唯一の現役女子高生。完成された美しい歌声が特徴。趣味は部屋の掃除、みかんの皮アート。特技は中国語、英語、じゃんけん、世界の首都クイズ。身長160センチ、血液型A。
