G・クルー二ーらが絶賛、コーエン兄弟の集大成作品

コーエン兄弟最新作!「ヘイル、シーザー!」 (C)Universal Pictures【ハリウッドニュース提供】

 アカデミー賞受賞監督コーエン兄弟の華麗なる集大成ともいうべき最新作「ヘイル、シーザー!」(5月13日日本公開)。本作の舞台は、1950年代ハリウッドが“夢”を作り、世界に贈り届けていた時代。スタジオの命運を懸けた超大作映画「ヘイル、シーザー!」の撮影中に、主演俳優であり世界的大スターのウイットロック誘拐事件が発生。撮影スタジオは大混乱に陥る中、事件解決への白羽の矢を立てられたのは貧乏くじばかりを引いている“スタジオの何でも屋”。お色気たっぷりの若手女優や、みんなの憧れのミュージカルスター、演技がどヘタなアクション俳優など、撮影中の個性あふれるスターたちを巻き込んで、世界が大注目する難事件に挑む。

 コーエン兄弟の元、超豪華オールスターが集結した本作。コーエン兄弟作品に3度出演のジョージ・クルー二ー、2度出演のジョシュ・ブローリンといった常連から、チャニング・テイタム、レイフ・ファインズといった初出演組まで、ハリウッドを代表する俳優が集まった。彼らに共通するのは、コーエン兄弟に対する絶大なリスペクト。常連組は次の出演を楽しみに待ち、初出演組は何年も彼らからお呼びがかかるのを待っていた。コーエン兄弟の元にハリウッドスターたちが集まる理由はなんだろうか?

 「彼らは本当に必要な映像しか撮らない。彼らは頭のなかですでに映画を編集しているんだ。それも見事にね」とコーエン兄弟を称賛するのは、「バーン・アフター・リーディング」(08)などのコーエン兄弟作品常連のジョージ・クルーニー。コーエン兄弟の別の映画に参加していた際、本作出演の打診を受けたことを明かし「そのとき、誘拐される俳優の役を演じたいかと聞かれたんだ。彼らが持っていたのは3ページ分の構想と、いくつかの素晴らしいセリフ。それだけだった。もちろん私は『演じたい』と答えたよ」と、コーエン兄弟に対する厚い信頼を見せている。

 コーエン兄弟作品に初出演のチャニング・テイタムは「脚本を読む必要もなかったね。何をやればいいの、どこに出ればいいのって感じだったよ。彼らは映画の巨匠だよ。よほどの大バカモノでなければ、コーエン兄弟から電話があったら当然誰でも『イエス』っていうだろう?」と念願の出演に喜びをあらわにしている。そして、コーエン兄弟の撮影現場を振り返り「彼らとの撮影は学ぶことがすごく多かった。彼らはかなり具体的なんだ。それに歴史的描写の正確さも完璧だった。映画産業とその歴史をちゃかしながら、同時にそれをたたえている。本当にすごい才能だよ」と、改めてコーエン兄弟の手腕を絶賛。

 同じくコーエン兄弟作品に初出演のレイフ・ファインズは「ジョエルとイーサンの指導は控えめで、とてもリラックスしている。現場は素晴らしい雰囲気だった。段取りがよく、あらゆる作業が迅速に進んだ。チームが出来上がっていて、各自が自信を持っている」と、彼らの撮影現場に対する驚きと感動を語っている。

 「ハリウッド黄金期の人物を演じるのは楽しいだろうと思った。あの衣装、あの輝き、あのクオリティーに、あの舞台裏の状況。心を奪われたわ」と、本作が扱う時代に魅了されたのはスカーレット・ヨハンソン。撮影現場には遊び心があったことを喜々として語り「コーエン兄弟は自分たちが撮りたいものを把握していたけど、同時にこっちからの提案にもオープンだった。安心できるクリエーティブ環境だったわ」と、のびのびと撮影に取り組める環境であったことを振り返っている。

 常にリラックスした雰囲気で常連キャスト、スタッフはもちろんのこと、初めて参加した人々も楽しみながら撮影に取り組めるコーエン兄弟の撮影現場。彼らの集大成的な作品に仕上がっている。

【ハリウッドニュース編集部】