木村拓哉笑った SMAP解散騒動中撮影の映画完成

映画「無限の住人」完成報告記者会見に臨む、左から三池崇史監督、戸田恵梨香、福士蒼汰(撮影・小沢裕)

 木村拓哉(44)が15日、都内で主演映画「無限の住人」(三池崇史監督、4月29日公開)の完成報告会見に出席した。SMAP解散騒動の渦中にあった昨年1月に撮影したが、現場は一体感にあふれていたという。足を負傷するアクシデントもあったが、撮影に集中する環境を整えてくれた共演者やスタッフの「チーム力」に感謝していた。

 会見場に姿を見せた木村は一礼した後に登壇した。「こうやって三池組の一員として皆さんの前に登壇できてうれしく思います。もう少しで皆さんに(映画を)手渡せると思います。よろしくお願いします」と話して頭を下げた。隣にいた共演者の福士蒼汰(23)杉咲花(19)と目を合わせて笑った後に着席した。

 撮影は15年11月から昨年1月17日まで、主に京都で行われた。大詰めを迎えた1月13日、グループの解散騒動が表面化。木村の姿をキャッチしようと京都の撮影所などに取材陣が押し寄せ、騒然とした雰囲気となった。この日は解散騒動に触れなかったが、撮影現場でのチームワークについて「すごく感じますし、ありがたいです」。さらに「いろんな方が自分と向き合ってくださる作品で、スタッフの皆さんが共存してくれている。それが三池組の一員の権利なので、それをフルに生かして、ずっと現場にいるだけでしたね」と周囲の協力を強く感じながら撮影に集中できたことを振り返った。

 300人と対峙(たいじ)するアクションシーンにも挑戦した。砂利の上で足を滑らせ、右膝靱帯(じんたい)を損傷するけがも負った。「監督が足の骨を折られたりとありましたけど、絶対に前に進むんだというモチベーションがあって楽しかったです」と三池監督が右足首を折るハプニングにもみまわれたが、強い気持ちを維持して撮影を乗り切ったことを強調した。関係者によると、自分の出演場面以外も現場から離れず、撮影を見守っていたという。

 初共演の市原隼人(30)には「待機時間中もマッサージ器具を使ってカメラマンさんの首をマッサージしてあげていた。こんな男になりたいなって思えた先輩は初めてでした」と言われて照れていた。写真撮影の際に杉咲の手をつかんで一緒に振るなど久しぶりの再会を楽しむ姿も見られた。

 三池監督は、カンヌ映画祭をはじめ世界的に評価もされており、国際映画祭での上映や海外公開も期待される。【横山慧】