宙組・留依蒔世が新人公演初主演「ほんとに緊張」

宙組新人公演に初主演した留依蒔世(右)と相手役ヒロインを務めた遥羽らら(撮影・村上久美子)

 宝塚歌劇の宙組「王妃の館」新人公演が21日、兵庫・宝塚大劇場で行われ、11年首席入団で6年目の留依蒔世(るい・まきせ)が初主演を務めた。

 「登場して最初はほんとに緊張しました。私、すごく緊張するタイプなので…。でも、ラストの場面はすごく楽しめました」

 あいさつでは涙した留依だったが、終演後は照れ笑いしながら振り返った。自己採点を聞くと「もっとできたと思うし、判定不能です」と言い、また笑った。

 今作は、浅田次郎氏のベストセラーをミュージカル化。太陽王ルイ14世が残した「シャトー・ドゥ・ラ・レーヌ(王妃の館)」を舞台に、個性豊かな登場人物による人間模様をコミカルに描く。留依は旅行客の天才小説家役で主演した。

 若手ながら優れた芝居心、抜群の歌唱力で頭角を現してきた留依。今春から新人最終の7年目に入るタイミングでの初主演。本役のトップ朝夏(あさか)まなとからは「まず自分が楽しまなきゃだめ」「のびのびやりなさい」とアドバイスされたといい、留依は「コメディーの難しさ、主演の重みをあらためて実感しました」と、さらなる成長の鍵をつかんだ様子だった。

 留依の相手役は、新人ヒロイン2度目の遥羽(はるは)らら。ツアーをダブルブッキングする旅行代理店の女社長を演じ「無事に終わり、とりあえずホッとしました。前半が課題です。緊張に勝てませんでした」と反省点を口にした。

 今回の新人公演では、2年目の鷹翔千空(たかと・ちあき)が主要キャストのルイ14世に抜てき。本公演では2番手スター、真風涼帆(まかぜ・すずほ)が演じている大役も、堂々とした立ち居振る舞いで、歌唱も見事にこなした。

 東京宝塚劇場の新人公演は4月13日。