「カルテット」最終回!みぞみぞした全話振り返り

TBS系ドラマ「カルテット」の出演者。左から高橋一生、松たか子、満島ひかり、松田龍平

 1月スタートの連続ドラマ、TBS系「カルテット」が21日、最終回を迎えた。

 社会的ブームとなった「逃げるは恥だが役に立つ」の後番組で、松たか子(39)満島ひかり(31)高橋一生(36)松田龍平(33)の豪華実力派俳優4人による大人のラブストーリー。ドラマ「最高の離婚」、「Woman」などを手がけたヒットメーカー、坂元裕二氏の完全オリジナル作品で、カルテットを組み、冬の軽井沢で共同生活を送ることになった男女の恋模様を描いた。

 ハイセンスなセリフの掛け合いや、舞台のような濃密なやりとりが、独特の世界観を生み、ネットを中心に高い支持を集めた。視聴率は社会的ブームとなった前クールの「逃げ恥」ほど高くなかったが、放送終了後にはツイッター上で「カル(テット)ロス」をつぶやく人が続出するなど、視聴者の記憶に残るドラマとなった。

 各回の平均視聴率(関東地区=ビデオリサーチの調べ)は以下の通り。

<第1回>9・8%(1月17日)

 巻真紀(松たか子)は別府司(松田龍平)の運転で軽井沢の別荘へとやって来た。待っていたのは世吹すずめ(満島ひかり)と家森諭高(高橋一生)。カラオケボックスで出会った4人は全員が演奏者で、弦楽四重奏をやることになったのだ。ライブレストランで演奏しようという話になるが、その店では“余命9ヶ月”のピアニスト・ベンジャミン瀧田(イッセー尾形)がレギュラー演奏していた。余命がウソだと知っていた真紀は、店に告げ口をする。家森の「唐揚げレモン論争」がいきなりネットで話題となった初回。

<第2回>9・6%(1月24日)

 真紀(松たか子)を監視するために、カルテットに加わったことが判明したすずめ(満島ひかり)。依頼主である鏡子(もたいまさこ)に報告に行くと、そもそもカラオケボックスに他の2人がいたことにも、何か理由があったのではないかと考え始める。一方、同僚の結衣(菊池亜希子)から「結婚する」と聞かされ戸惑う別府(松田龍平)。さらに結衣は、結婚式でカルテットに演奏をしてほしいと依頼。後ろむきな別府に疑問を持った家森(高橋一生)は、別府を追及する。家森が熱弁する「会話の行間」が印象的な回。

<第3回>7・8%(1月31日)

 真紀(松たか子)と別府(松田龍平)が同じボーダー柄の服を着ていることに気づいた家森(高橋一生)は「特別な関係に見える」と指摘する。家森はボーダーを着るときの条件として「昨日ボーダーを着てた人と会うとき」と持論を述べる。ノクターンに到着すると、そこにはボーダーを着た見知らぬ少年(前田旺志郎)が。その少年から「あなたのお父さん、もうすぐ亡くなります」と突然告げられ、すずめ(満島ひかり)が動揺する。すずめの哀しい過去にせつなくなる回。

<第4回>7・2%(2月7日)

 家森(高橋一生)が好きだと言っていたにもかかわらず、別府(松田龍平)に突然キスをしたすずめ(満島ひかり)。そんなある日、家森を追っていた男たちが訪ねてくる。ある写真を見せ「この女の行方を話せ」と問い詰めるが、家森は「知らない」の一点張り。そこで男たちは、人質代わりに家森のヴィオラを持ち去ってしまう。みんなに写真の女性(高橋メアリージュン)との関係を聞かれた家森は、ある秘密を告白する。家森の元妻・茶馬子の関西弁が迫力満点だった回。

<第5回>8・5%(2月14日)

 東京で再会した真紀(松たか子)と鏡子(もたいまさこ)。「息子は死んだ気がする」という鏡子に、真紀は予想外の言葉を告げる。そんな中、カルテットのもとに音楽プロデューサーの朝木(浅野和之)が現れ、フェスティバルに参加しないかと誘う。真紀は拒否するが、すずめ(満島ひかり)と家森(高橋一生)に諭される。別府(松田龍平)はこのチャンスをものにするため、しばらくは個々の夢を捨て、カルテットドーナツホールとしての夢を見ようと提案する。4人の戦闘ものコスプレが衝撃的だった回。

<第6回>7・3%(2月21日)

 すずめ(満島ひかり)は幹生(宮藤官九郎)という男性と知り合う。幹生は真紀(松たか子)の失踪した夫だったが、なぜか家森(高橋一生)の先輩だと偽る。幹生を別荘に招いたすずめは、幹生の靴に防犯用のカラーボールの痕がついていることに気付く。一方、真紀は、軽井沢で鏡子(もたいまさこ)と再会。「幹生を殺したのか」と問い詰められた真紀は、夫婦の過去を告白する。巻夫婦の心のすれ違いのていねいな描写に胸が締め付けられる回。

<第7回>8・2%(2月28日)

 幹生(宮藤官九郎)は真紀(松たか子)のバイオリンを抱えていた有朱(吉岡里帆)ともみ合いになり、有朱が2階から転落してしまう。それを知った真紀は「逃げよう」と提案する。吉岡里帆の怖すぎる魔性の女ぶりはネットでも話題を呼んだ。真紀がすずめにささやく「抱かれたいの」のセリフも強い印象を残した回。

<第8回>9・5%(3月7日)

 真紀(松たか子)が離婚したことで、より一層4人での生活は和気あいあいとしたものに。そんなある日、すずめ(満島ひかり)の別府(松田龍平)への想いを知る家森(高橋一生)は「真紀さんが離婚してピンチじゃない?」とふっかける。しかしすずめは「真紀と司をくっつけるために協力して」と家森に頼み、真紀と別府をデートさせようと試行錯誤する。最後には真紀が真紀じゃないことがわかって衝撃的な展開に。

<第9回>11・0%(3月14日)

 刑事(大倉孝二)から真紀(松たか子)が全くの別人だったと告げられた鏡子(もたいまさこ)。警察が真紀を捜査していると知り、激しく動揺する。そんなある日、真紀の元へ刑事がたずねてきて、真紀は出頭を要請される。出頭前に真紀は3人に自分は早乙女真紀ではないと告白した。家森のホッチキスやバンドエイドの通称に関するうんちくが「真紀は真紀じゃなくても真紀」という3人の気持ちの伏線につながっているようで感動的な回。

<最終回>9・8%(3月21日)

 最終話は、前話で真紀(松たか子)が警察に出頭したことで、バラバラになったカルテット・ドーナツホールの1年後を描いた。真紀が週刊誌に「コロッケデート」などと書かれた記事を見た別府(松田龍平)が、家森(高橋一生)、すずめ(満島ひかり)にドーナツホールの解散を提案するなど物語は急展開。そして、すずめが預かったバイオリンを返すために真紀を探そうと提案。真紀を軽井沢の別荘に連れて帰るシーンでは、家森が真紀を後ろからハグした“バックハグ”が、ネット上で大きな話題となった。