松岡修造の長女恵さん宝塚合格 御曹司スターの卵

宝塚音楽学校105期生として合格し、在校生から祝福される松岡修造の長女恵さん(撮影・村上久美子)

 元プロテニスプレーヤーでスポーツキャスターの松岡修造(49)の長女、松岡恵(めぐみ)さん(17)が30日、タカラジェンヌを養成する宝塚音楽学校に合格した。この日、兵庫県宝塚市の同校で105期生の合格者40人が発表された。恵さんは、宝塚歌劇団を含む阪急東宝グループ創業者、小林一三氏の玄孫(やしゃご)にあたる。今年は1042人が受験。26・1倍の難関を突破し、憧れのタカラジェンヌへの道を歩み始めた。

 恵さんは東京生まれで、川崎市にある日本女子大付高2年生。父親譲りの涼しげな目元と、すっきりとした顔立ちが印象的で、身長169センチのすらりとしたスタイル。合格発表後、教室で2時間にわたる入学説明を受けた。緊張から多くの生徒は顔をこわばらせて出てくるが、元テレビ東京アナウンサーの母恵美子さん(51)と一緒に退室してきた恵さんの表情には落ち着きが感じられた。取材にも「1年ちょっと前からバレエ、声楽のレッスンを始めて初受験でした。歌はもともと好きなので、見た方に、すがすがしい気持ちになってもらえるようなスターになりたいです」としっかりとした口調で答えた。

 志望は男役。中学3年の時、当時花組トップだった蘭寿とむ主演「ファントム」をDVD鑑賞して音楽学校入学を志した。父親からは「受けるからには中途半端な気持ちでやるな」と激励され、合格発表にあたっては「結果はどうあれ自分の将来なんだから」と熱い言葉をもらった。「父も応援してくれ、熱く見守ってくれていると思います」。

 父修造は公式サイト「修造コラム」にコメントを掲載した。修造の母で恵さんの祖母も男役スターで活躍していた千波静(ちなみ・しずか)で「僕自身、宝塚歌劇団を小さい頃から観劇していました」「たくさんの人に元気と幸せを与えてくれる場所」などと宝塚への思いをつづった。さらに自分にとって曽祖父にあたる小林一三さんにも触れ「娘には小林一三さんのお言葉『清く、正しく、美しく、朗らかに』を心に、日々まい進してほしい」と記した。そして「一番の願いは健康に」「僕のように周りの人たちに迷惑をかけないで、感謝の思いを大切に自分の道を歩んでほしい」と娘へ熱いエールを送った。

 音楽学校受験は94年に過去最高48・2倍の競争率を記録したが当時の首席が蘭寿だった。蘭寿は昨年、修造のいとこと結婚、同じ小林一族になった縁もある。

 音楽学校在籍2年で、洋舞、日舞、和楽器演奏、ピアノ声楽、演劇などを学ぶ。夜は個人レッスンで技術を磨き、厳しい礼儀作法も習う。卒業後は105期生としての入団を目指す。

 高祖父は阪急東宝グループ創業者、祖母は宝塚OG、さらに親戚も同グループ要職にある者が多い。劇団では、将来有望な若手を「御曹司」と呼ぶが、漂うオーラに将来性を感じさせる恵さんはまさに「御曹司スター」の卵といえそうだ。来月18日に入学式を迎え、厳しいトレーニングがスタートする。【村上久美子】

 ◆宝塚歌劇団 小林一三さんが温泉場の集客のため1913年(大2)に宝塚唱歌隊を結成。6年後に宝塚音楽歌劇学校を設立、その生徒と卒業生で組織する宝塚少女歌劇団が劇場公演を開始。1940年(昭15)に宝塚歌劇団に改称。「花」「月」「雪」「星」「宙(そら)」の5組といずれの組にも属さない専科に分かれる。舞台出演するのは宝塚音楽学校卒業生で全員が未婚女性。団員はタカラジェンヌと呼ばれる。男性の役を男役、女性の役を娘役という。各組の頂点に立つ男役が「トップスター」、その相手役を務める娘役を「トップ娘役」と呼ぶ。