一ノ瀬文香と杉森茜「同性婚」破局、亀裂の決定打は

14年12月、結婚報告会見で笑顔を見せる一ノ瀬文香(左)と杉森茜

 14年12月に「同性婚」を発表し、翌15年4月に挙式したタレント一ノ瀬文香(36)とダンサー杉森茜(30)が破局していたことが11日、分かった。2人は、婚姻届は都内の区役所で不受理となったが、事実上の結婚生活を送ってきた。

 昨年2月、一ノ瀬が発表した自伝本「ビアン婚~私が女性と結婚式を挙げるまで」の内容を巡って関係がぎくしゃくするようになり、同7月ごろに同居生活を解消していた。

 東京・新宿のゲイバーでの出会いから4年。この間、杉森の親族の結婚式に一ノ瀬がパートナーとして出席するなど、周囲も認める「婚姻関係」だった。養子などの形で子供を育てることを考えた時期もあった。

 別居後も和解に向けた話し合いを重ねたが、1度生まれた亀裂は元に戻らなかった。知人やファンの間では、2人が同席する機会が激減したことで心配する声も上がっていた。2人は、周囲の思いに対する配慮から、けじめをつける決意をした。

 一ノ瀬は「今まで付き合ってきた女性の中で『公言したい』『結婚したい』と言ってくれたのは、茜だけでした。だからこそ、共に歩んでいけると思ったし、皆さんの前で結婚式も挙げました。どちらかが悪いとかではなく、ちょっとしたことから互いに歩み寄れなくなったことが、とても残念です」と心境を明かす。

 杉森は「仲間に応援してもらって結婚に踏み切ったのに、こういう形になって残念だし、申し訳ないと思っています。2人で人生を歩もうという思いにウソはありませんでした。でも、男女でもそういうことがあるように、結局は折り合えない部分ができてしまったということだったと思います」と話している。

 ◆一ノ瀬文香(いちのせ・あやか)1980年(昭55)8月12日、栃木県生まれ。09年4月に週刊誌でレズビアンをカミングアウト。中学、高校の美術教員免許を持ち、NHK・Eテレ番組にも出演した。

 ◆杉森茜(すぎもり・あかね)1986年(昭61)11月2日、北海道生まれ。音楽、英語の教員免許を持つ。越路吹雪三十三回忌コンサートに出演。LGBT(性的少数者)への理解を広める活動も行っている。