野村萬斎の秘策は「文化の力」ミサイル発射受け訴え

映画「花戦さ」完成披露会見で自身の書を手に笑顔を見せる野村萬斎(手前)。左は森川葵、右は高橋克実(撮影・河野匠)

 狂言師・野村萬斎(51)が29日、東京・有楽町朝日ホールで行われた主演映画「花戦さ」(篠原哲雄監督、6月3日)舞台あいさつで、文化による平和の実現を訴えた。

 萬斎は「本当に日本の文化がたくさん詰まっています。これからの日本の教科書、スタンダードになると言っていいくらい文化の薫りに満ちている。まず楽しんでほしい」と語った。

 その上で、演じる池坊専好が、華道の力で豊臣秀吉に対抗した物語にちなみ「武力に対して文化の力、芸術の力が、どれだけあるのか。今、何だかミサイルを自爆させているような人がいますけどもね…そういうことじゃなく、対話をする。そのための、きっかけに花、お茶、絵であるとか、そういう文化芸術があるということを、まさしく確信するものです」と力を込めた。

 萬斎は具体的な事象については言及していないが、この日午前、北朝鮮の弾道ミサイルが、日本の排他的経済水域(EEZ)内の日本海に落下したとみられる事態になっており、そのことを踏まえた発言ともとれ、平和を力強く訴えた。