米倉涼子が感涙5年ぶりブロードウェーで「シカゴ」

「CHICAGO」に出演した米倉涼子

 【米ニューヨーク3日(日本時間4日)=松尾幸之介】米倉涼子(41)が5年ぶりに主演するミュージカル「シカゴ」がアンバサダー劇場で初日を迎えた。英語の発音やダンスなど、前回からの共演者も驚く進化した姿を披露すると、1200人の観客から大きな拍手を浴びた。日本人女優初の2度目のブロードウェーミュージカル主演という快挙を成し遂げた。5年前は「今まで生きてきて一番緊張した」と話したが、この日は終演後に「楽しめているというのが一番違う。冷静になれたのかな」と話した。

 昨年11月、リバイバル上演スタートから20周年に突入した際、プロデューサーのバリー・ワイズラー氏からオファーを受けて出演が決定。同舞台出演経験のある大澄賢也(51)らのサポートを受けて4月から稽古を重ね、体幹トレーニングにも取り組んだ。「力がついたかもしれません」。

 「シカゴ」は「私の生きがいです」と言うほど思い入れの強い作品。カーテンコールではサプライズで花束を渡され、共演したアムラ・フェイ・ライト(56)から「ウエルカム・ホーム!(おかえりなさい)」と声を掛けられると涙があふれた。感激のあまり、自分のあいさつができなかった。「びっくりした。言葉がなくなって、できれば舞台をナチュラルに終わらせるのが一番だと思って割愛させてもらった。でも皆さんに感謝しています」。

 稽古中だった今年5月に「今回が最後だと思っている」と「シカゴ」への思いを語っていたが、この日は「(再び)やりたくなっちゃうんですよね。いつまでたっても、やめたくないなっていう思いでいっぱいになっちゃう。刺激がすごい」と興奮気味に話した。

 来月2日から東京・東急シアターオーブで日本公演を行う予定だ。

 ◆「シカゴ」 75年にブロードウェーのアンバサダー劇場で初演。77年までロングランを記録して1度閉幕したが、96年にリバイバル公演スタート。リバイバル作としてはブロードウェー史上歴代1位のロングラン記録を更新中。1920年代のジャズ全盛時代の米シカゴが舞台。愛人を殺して投獄されたロキシー・ハートが、うそをついて無罪を勝ち取る姿と失ったものを描く。