西田敏行の虚偽記事被害、スマイリーキクチ注意喚起

 長年に渡りネットで誹謗(ひぼう)中傷を受けた経験を持つお笑いタレントのスマイリーキクチ(45)が、ネット上での匿名の書き込みや、虚偽記事などについて自身の見解をつづった。

 キクチは6日、俳優の西田敏行が違法薬物を使用しているとの虚偽記事をブログなどに載せ、所属事務所の業務を妨害したとして、偽計業務妨害の疑いで男女3人が書類送検された事件を受け、ブログやツイッターを更新した。

 ブログでは「残念ながら、年を追うごとにネット社会と法律がかけ離れているので、デマで収入を得るような卑劣な行為は増加傾向にあります。こうゆう行為をする人物の中には【「言論の自由」なんだから、ネットに何を書き込んでもいいだろ】と思っている人もいます」とネットの現状に触れ、「『言論の自由』は情報の伝達や意見を発表する自由という意味で、デマや中傷や差別も自由の範囲なら、それは『言論の自由』じゃなく『言論の無法』になってしまいます。コピーであろうとリツイートであろうと、情報を公開した時点で、その人には『言論の責任』が伴います」と指摘。「インターネットで人生を台無しにしないように、デマに惑わされないように、どうか気をつけて情報を扱ってください」と注意を呼びかけた。

 ツイッターでは、虚偽記事かどうかを見分ける手段として、「他人のブログで気になる記事を見つけたら、内容の前に貼り付いている広告がいくつあるか調べよう。広告が多いほど信ぴょう性は薄い」と伝えた。

 また、ネット炎上をテーマにして話題となっているACジャパンのCMについてもツイッターで言及。同CMは童話「桃太郎」をモチーフに、おばあさんが川で桃を拾うと、さまざまな批判コメントが殺到して炎上し、おばあさんは困惑して涙を流してしまうという内容で、最後に「悪意ある言葉が、人の心を傷つけている。声を荒らげる前に、少しだけ考えて見ませんか?」と問いかける内容だが、キクチは「ああゆう言葉を書き込む人の半分は悪意のある言葉とは思ってないよ。むしろ『世直しでやってあげてる』『良いことをしている』ぐらいの気持ちで書き込んでると思う。『批判』を『正義』だと勘違いしてるからね。まわりから見たら悪意でも本人は善意なんだ」と異論を唱えた。

 キクチは過去に東京・足立区で起きた「女子高生コンクリート詰め殺人事件」に関与したなどとネットに書き込まれたことで、10年以上にわたっていわれなき誹謗(ひぼう)中傷被害を受け、11年にはその経験をつづった「突然、僕は殺人犯にされたーネット中傷被害を受けた10年間」を出版し話題になった。