欅坂下部けやき坂、本家に匹敵する急成長3つの理由

けやき坂46。左から潮紗理菜、加藤史帆、佐々木美玲、高瀬愛奈、斉藤京子、柿崎芽実、東村芽依、影山優佳、高本彩花、佐々木久美、井口真緒

 欅坂46のアンダーグループ(下部組織)として誕生し、グループ名を「ひらがなけやき」と読むアイドルグループ「けやき坂46」が大ブレーク間近だ。「坂道シリーズ」と呼ばれる先輩グループの乃木坂46や欅坂46に匹敵する人気を獲得しつつある。急成長の秘密や人気の理由を探るため、乃木坂46をデビュー前から取材し、坂道シリーズ担当の横山慧記者が26日、ひらがなけやきの公演が行われたZepp札幌を訪ねた。

 メンバー11人が笑顔で跳びはねる。高本彩花(18)が「札幌、行くよ~!」と呼びかけると大歓声を浴びた。「ひらがなけやき」「誰よりも高く跳べ!」などオリジナル曲や「二人セゾン」など欅坂46の曲を次々と披露。緑色のペンライトを持ったファン2000人で埋まった会場は、多幸感であふれていた。

 けやき坂46は昨年5月に1期生12人で誕生。当初、欅坂46のアンダーグループ(下部組織)として立ち上がったが、スタッフの予想を超えるスピードで成長した。斉藤京子(20)加藤史帆(19)を始め、欅坂46メンバーに匹敵する握手会人気を誇るメンバーも多く、グループとしても欅坂46と違うアイデンティティーを確立。本格ブレークも近い。根拠は3つある。

 (1)バラエティーに富んだメンバー 超低音ボイスの斉藤や、脱力系の声色でファンを癒やす加藤ら、ルックスや声に特長があるメンバーが多い。インドネシア語が話せる潮紗理菜(19)ら帰国子女も3人。日本有数の難関校に通い、国語の偏差値80を出したこともある影山優佳(16)もいるという個性派集団だ。

 (2)他グループにない「ハッピーオーラ」 「清楚(せいそ)で上品」のイメージを持つ乃木坂46、「かっこよくてクール」という欅坂46に対し、けやき坂46は「見ている人が幸せになるパフォーマンス」を売りとしている。これをメンバーたちは「ハッピーオーラ」と表現する。

 (3)豊富なライブ経験 欅坂46よりも先に今年3月の東京公演から全国ツアーをスタート。8月の欅坂46の全国ツアーにも出演するなど場数を踏んでいる。この日は初の札幌公演を成功させた。

 周囲の環境も変わりつつある。メンバー12人が主演するテレビ東京系ドラマ「Re:Mind」(木曜深夜1時)が来月19日にスタートする。欅坂46の5枚目シングル「風に吹かれても」(10月25日発売)では、今までシングルごとに1曲収録だったけやき坂46の曲が2曲(全7曲中)に増えた。「けやき坂46単独でも十分CDデビューできる力がある」と話す音楽業界関係者もいる。

 今月24日、欅坂46とけやき坂46を兼任していた人気メンバー長浜ねる(19)が欅坂46専任となり、けやき坂46から離脱した。しかし8月加入の2期生9人が粒ぞろいで、まだまだ総合力は伸びていきそうだ。ライブのアンコールで佐々木久美(21)は「私たちはこんなところで終わりません。今まで以上のスピードで、どんどん坂を上り続けていきます!」と叫んだ。