コンプライアンスの時代…テレビとネットせめぎ合い

フジテレビ宮内正喜社長

 一夜明ければ10月。テレビ局の10月改編のラインアップが出そろった。

 9月初め、フジテレビの宮内正喜社長(73)にインタビューした。その中で、テレビのあり方について聞いてみた。今はドラマも映画もニュースも、ネットやスマホで見ることが増えた。そこで「テレビはブッラクボックスとなっているのではないか」と聞いてみた。

 宮内社長は地上波、BS、CS、ネットの連携が必要とした上で「それでもテレビはメディアの王様であり続ける」と自信を見せた。テレビマンとして50年のキャリアが、そう言わせていると感じた。

 長らくテレビの世界を取材しているが、テレビの世界は特に近年、コンプライアンスにがんじがらめになっている印象もある。今から20数年前、近親相姦(そうかん)やいじめなどをテーマにした脚本家・野島伸司氏は、ヒットドラマを連発した。

 だが、今、それらをテレビでドラマのテーマにすることは一般的には難しいかもしれない。その野島氏がセックス依存症をテーマにした玉山鉄二、佐々木希出演の「雨が降ると君は優しい」は、ネット配信サービス「Hulu」で9月から放送されている。子供も見る地上波ではかなりきわどいテーマだ。

 そして、お笑いもテレビよりネットがダントツだ。ダウンタウン松本人志がプロデュースした、アマゾンプライムの「ドキュメンタル」シリーズが抜群に面白い。

 松本から招待状を受け取った10人の芸人が100万円ずつだして、計1000万円+松本の100万円を足した、1100万円を奪い合う。ルールは簡単。6時間の間に笑ったものが失格。笑わせたものが勝ち残る。最新作には不祥事から復帰して、まだ地上波のレギュラー復活は果たしていない山本圭壱が出ている。

 そして、近頃は体育会芸人のイメージが強くなってきたオードリー春日俊彰が大活躍。しかも、テレビでは絶対に出来ない手法でだ。江頭2:50をはじめとする、下ネタを得意とする芸を長らく取材してきたが、春日は強烈だった。モザイクだらけでは、ほとんど見えないが春日の股間にすごい笑いを誘うものが存在することだけは分かった。

 テレビとネット、このせめぎ合いは当分、続きそうだ。

芸能番記者