中村芝翫、別会場の映像を舞台に投影し親子“共演”

「連獅子」を踊る中村芝翫(左から3人目)と、舞台上に投影された(左から)中村福之助、中村歌之助と中村橋之助(右端)の映像(松竹提供=共同)

 最新の情報通信技術を使い、歌舞伎俳優の中村芝翫(52)が別の劇場で踊る長男中村橋之助(21)ら息子3人と親子で“共演”するイベントが12日、京都市中京区の先斗町歌舞練場で開かれた。橋之助らの映像が舞台上に投影され、芝翫とタイミングがぴたりと合った「連獅子」の踊りを披露した。

 2020年の東京五輪・パラリンピックへ向け、その場にいるような臨場感のライブ中継を目指してNTTが開発中の映像技術を使った試み。先斗町歌舞練場と、南に約1キロ離れた宮川町歌舞練場(同市東山区)を光回線で結び、橋之助や二男中村福之助(19)、三男中村歌之助(16)が踊る映像をリアルタイムで伝送した。

 約20分間の舞踊を終え、芝翫は「こんなにうまくいくとは思いませんでした。最新の技術をもっと歌舞伎に取り入れたら面白いですね」と話した。