浅野忠信父が覚せい剤逮捕 数カ月前から妙なにおい

放送中のドラマで刑事役を演じている浅野忠信

 俳優浅野忠信(44)が所属する所属事務所「アノレ」の社長で、浅野の父佐藤幸久容疑者(68)が先月30日、警視庁渋谷署に覚せい剤取締法違反(使用)の疑いで逮捕されていたことが5日、分かった。芸能人の子供が薬物事件を起こす例が相次ぐ中、親が逮捕されるという異例の展開。浅野は皮肉にも、放送中のドラマで刑事役を演じている。アノレにはほか加瀬亮、新井浩文らが所属している。

 警視庁渋谷署などによると、佐藤容疑者は先月30日午前2時ごろ、東京都渋谷区道玄坂2丁目の路上で、歩いていたところを警察官に職務質問された。覚醒剤の吸引に使うとみられるガラスパイプを所持していたため署に任意同行、尿検査で覚醒剤の陽性反応が出たため逮捕した。

 逮捕容疑は、11月中旬から下旬の間、覚醒剤を使用した疑い。「自らの意思で使ったことに間違いありません」と容疑を認めている。現場は、大型量販店や百貨店、飲食店が並ぶ繁華街・渋谷の中心地。数百メートル歩くとラブホテル街もある。そんなエリアを68歳の男が未明、覚醒剤を使用して歩いていた疑いがあることになる。

 事務所には寝耳に水だったという。スタッフによると社長の逮捕は5日昼の報道で知ったという。5日間連絡をとっていなかったことになるが、佐藤容疑者は普段から毎日出社していなかったため、従業員も不思議に思わなかったという。

 ただ、佐藤容疑者と数カ月前に会った関係者は“異変”を感じたといい「ろれつが回っておらず、テンションが異常に高かったのに驚いた。体から妙なにおいがした」と証言。覚醒剤常用者の特徴である体から甘いにおいがする、というものだった可能性もある。

 佐藤容疑者は、自身のフェイスブックに好きな言葉として「危険なモノが美しい」と書き込んでいた。先月18日、所属する新井の出演映画のヒットを喜ぶ更新が最後となっている。

 事務所によると、息子の浅野も父が逮捕されていたことは知らず、5日にスタッフからの連絡で知ったという。だが同日未明、浅野はフェイスブックに「愛は弾丸より優れている」などと意味深な詩をアップ。NHK「ファミリーヒストリー」にも出演した浅野の母もフェイスブックを通じての励ましに「ありがとうございます」と短く返信したのみ。家族にも衝撃を与えていることがうかがわれる。

 浅野にとっては、民放連ドラ初主演作であるフジテレビ系「刑事 ゆがみ」(木曜午後10時)で刑事役を務めているタイミングでの父の逮捕となった。同局によると、ドラマは予定通り放送するという。