菅田将暉、激動1年「24歳体は大丈夫」/映画大賞

笑顔を見せる主演男優賞の菅田将暉(撮影・江口和貴)

 史上最年少で主演男優賞を受賞した菅田将暉(24)は「出会った人たちに感謝したい」と喜びを語った。作品賞を受賞した「あゝ、荒野」をはじめ、「キセキ-あの日のソビト-」「帝一の國」「火花」の4作で主演し、他にもNHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」出演、歌手デビューなど激動の1年。この日が仕事納めで「笑える1年になりました」と振り返った。

 少し緊張した面持ちでステージに上がった。それでも「今年のあなたは明らかなオーバーワークから、質の高い結果を残しました」と表彰状が読み上げられると、一気に笑顔になった。

 菅田 賞状に「オーバーワーク」という言葉が入ってイジられるなんて…。確かに疲れた1年でしたが、24歳、体は大丈夫です!

 見事な切り返しに、会場はさらに笑顔があふれた。

 激動の1年だった。ボクシングにのめり込む青年役の「あゝ、荒野」、音楽グループGReeeeNの実話に基づく「キセキ-あの日のソビト-」、若手が集結したコメディー「帝一の國」、芸人の青春を描いた「火花」の4作で主演。歌手デビューや、大河ドラマ出演もあった。そんな1年を象徴するように、この日も授賞式中に日本テレビ系「情報ライブ ミヤネ屋」に生出演し、式終了後も雑誌などの取材が続いた。

 「(仕事の)切り替えが、自分でも分かっていなかったこともあった。オーバーワークは控えたい」と吐露したが「たくさんの人と一緒に戦ったので、全ての人たちに恩返しができてうれしい」と受賞を喜んだ。

 変幻自在の活躍ぶりを、共演者や先輩役者からも絶賛された。「あゝ、荒野」で濡(ぬ)れ場を演じ、花束を渡した木下あかり(24)は「前から天才だと思っていたけれど、共演して天才という言葉では片付けてはいけない、努力の固まりのような人でした」。前年受賞の佐藤浩市(57)とは共演経験はないが、「次は一緒に作品を作ろう」と声を掛けられた。

 今年は酉(とり)年で年男。年始に「鳥のように空高く。そして、笑える1年に」と目標を立てたという。佐藤からは「今走らなかったら、いつ走る」と背中も押された。

 菅田 これからも突っ走っていきます。体を使って、足りない頭をフル稼働していくしかないけれど、その疲労感は心地よかったりする。だって、生きざまが作品として残っていく仕事も他にないですから。

 そう笑顔で話して、充実の17年を締めくくった。【大友陽平】