ママ女優安藤サクラ朝ドラヒロイン 夫柄本佑後押し

平成30年度後期連続テレビ小説「まんぷく」のヒロインに選ばれて笑顔で写真に納まる安藤サクラ(撮影・丹羽敏通)

 NHKは1月31日、連続テレビ小説「まんぷく」(10月1日スタート、月~土曜午前8時)のヒロインが安藤サクラ(31)に決まったと発表した。安藤が東京と大阪の同局で会見した。昨年6月に夫柄本佑(31)との間に第1子となる女児を出産したばかり。乳児を抱えるママ女優が、朝ドラヒロインを務めるのは史上初。

 出演依頼が届いたのは昨年10月初めだった。「その時は子供を産んで仕事を長く休もう。とにかく子供のために過ごそうと思っていました」。しかし「オファーを聞いて悔しくなりました」という。「すごく憧れていた朝ドラ。私は子供を産んだし、この世界には縁がなかったな。おばちゃんだし、子持ちだし」とあきらめかけた。背中を押してくれたのは家族だった。夫から「できるんじゃない」と言われ、父奥田瑛二(67)は「挑戦じゃなくて冒険に出ればいい」と言った。夫の母、角替和枝(63)には「大厄の年だからこそ大役をやるべき」と励まされた。「いろんなことを考え、たくさん時間をかけて悩んで受けました」。11月に同局に伝えた。「人間ドックも受けました。いざ出陣という気持ちです」。

 収録は5月初旬から来年2月末まで大阪放送局を中心に行われる。期間中、大阪に住む安藤は「子供と大阪に一緒に行きます。NHKに娘を『みんなで育てましょう』と言ってもらえ、心に響きました。飛び込んでみようという気持ちになりました」。同局の真鍋斎制作統括は「託児所の手配や局内にキッズコーナーの設置を計画しています」。同局は働き方改革を進めており、真鍋氏は「個々の番組で努力しているが(収録を)午後10時までをめどにする。制作スパンも約3週間長くして1日の分量を減らす」と明言した。

 日清食品創業者夫妻がモデルとなるドラマ。安藤は「演じるのは嫌なことをエネルギーに変換できる人。私もそうありたいと、母になってから特に意識しています。子育てから学んだ強み。ドラマでも日常にも生かせたらいい」と話した。【村上久美子、中野由喜】

 ◆「まんぷく」 舞台は戦前から高度経済成長時代の大阪。空襲や銀行破綻などで財産を失いながらも、ヒロイン今井福子が、夫を支え、食文化を変える発明をする姿を描く。「インスタントラーメン」「チキンラーメン」を開発した安藤百福(ももふく)仁子(まさこ)夫妻をモデルにした敗者復活の物語。脚本は大河ドラマ「龍馬伝」や「HERO」「ガリレオ」を手掛けた福田靖氏。