イーストウッド俳優復帰 麻薬運び人の半生描く実話

クリント・イーストウッド

 クリント・イーストウッド(87)が、89歳で逮捕された実在する史上最年長の麻薬運び人レオ・シャープの半生を描いた実話で俳優復帰すると報じられた。

 俳優・監督として数多くの映画を世に送り出してきたイーストウッドは、近年は監督業に専念し、「アメリカン・スナイパー」(15年)や「ハドソン川の軌跡」(16年)などの名作をを手掛けてきたが、俳優としては年老いたメジャーリーグスカウトマンを演じた「人生の特等席」(12年)を最後に出演しておらず、俳優業は引退とも伝えられていた。

 第2次世界大戦の退役軍人だったシャープは12年にメキシコのカルテルに300万ドル相当のコカインを密輸した容疑で逮捕されたが、認知症を患っていたと主張してわずか3年の懲役刑となった。イーストウッドは16年に死去したシャープを演じると同時に、監督としてメガホンもとる予定だという。かつてのインタビューで「年を取ると演じたい役がなくなる」と語っていたが、昨年のカンヌ国際映画祭では俳優復帰に意欲を見せていた。近年はほぼ年1本ペースで新作を撮り続けているイーストウッド監督は、今月9日に15年に欧州の高速鉄道で起きた無差別テロ事件を題材にした新作「15時17分、パリ行き」の公開を控えている。(ロサンゼルス=千歳香奈子)