いときんさん葬儀に5000人「ギフト」合唱で別れ

いときんさんの葬儀で棺を運ぶ「ET-KING」のKLUTCH(先頭左)コシバKEN(同右)らメンバー(撮影・村上久美子)

 人気ヒップホップグループ「ET-KING」のリーダー、いときん(本名・山田祥正=やまだ・よしまさ)さん(享年38)の葬儀が4日、大阪市阿倍野区で行われ、大勢の一般ファンを含めて計5000人が訪れ、いときんさんは、大切な人を思うヒット曲「ギフト」で送り出された。

 雪がちらつく寒さ、備品が飛ばされるほどの強風の中、出棺予定が30分ほど遅れても、大勢のファンが場外で待っていた。

 センコウ(38)BUCCI(39)KLUTCH(39)DJ BOOBY(36)コシバKEN(37)らメンバーが棺を運びだすと、ファンはいっせいに「いときんっ!」と叫び、メンバーも号泣。自然発生的にファンの間から「ギフト」の合唱が始まった。

 涙で顔をぬぐったコシバは「歌えない…」とつぶやき、センコウもひざに手をつき涙しつつも、ファンに続いた。合唱が終わると、メンバーはファンに向き、「ありがとう」と何度も繰り返し、感謝した。

 この日の葬儀には、ぼんちおさむ(65)ハイヒール・モモコ(53)ら参列者のほかにも、大勢のファンが集まった。

 葬儀では、メンバーも弔辞を読み、最後のコシバが「(いときんさんは)喜ばすの好きやったなあ。今日もみんなで歌おうか」と呼びかけ、メンバー5人がアカペラで「ギフト」を歌った。この時は、メンバーも歌で送りだした。

 所属事務所によると、棺には愛用のマイク、ハッピ、帽子や音楽活動にかんする物のほか、思い出の写真も入れられた。同担当者は「気楽に普段の格好で送りたい」と話した。

 また、出席したモモコは涙を流しながら「明るい太陽みたいな人。前向きやし。メンバーも弔辞で『あの人がおったから今、僕らもここにいられる』と言ってました」と言葉を続けた。

 モモコは知人を通じて、いときんさんと知り合い、交流を深めた。「そう古いつきあいじゃない」と言いつつも、人柄にひかれたようで、いときんさんが昨夏、肺腺がんを公表し、休養した後、いときんさんがレギュラーだったラジオ番組に、ゲスト出演したこともあったという。

 昨年末、いときんさんがライブ復帰した際には行けなかったが、報道などで元気なステージ姿を見て「やせてなかったし、治ったんやと思って…。『今度は絶対行くわ』って言うてたんです。ショックです…ほんまに」と、悔しそうに話していた。