高良健吾&城田優、伊坂作品の世界観を見事に再現

WOWOW「連続ドラマW バイバイ、ブラックバード」完成披露舞台あいさつに出席した左から森義隆監督、高良健吾、城田優

 高良健吾(30)城田優(32)が出演するWOWOW連続ドラマ「バイバイ、ブラックバード」(土曜午後10時)に注目したい。

 第1話を完成試写会で見たが「次を見たい!」と思わせる出来栄えだった。

 人気作家伊坂幸太郎氏の同名小説が原作。同氏の作品は「ゴールデンスランバー」「グラスホッパー」「死神の精度」「重力ピエロ」など数多く映画化されているが、連続ドラマ化は初めて。伊坂ファンとして、独特な世界観を作り出す伊坂作品の中でも、特に異彩を放つ(と個人的には感じている)作品だけに、ドラマ化を知った時から興味津々だった。

 高良演じる星野一彦は、同時に5人の女性と付き合う5股男だが、どこか憎めない。人の懐にスッと入ってくるキャラクターでもある。森義隆監督が言う「誠実な5股男」を高良は演じ切っているように感じた。

 城田演じる繭美の存在感も強烈だ。男性の城田が女性を演じるが、原作の繭美も「身長190センチ、体重200キロ。肌は白くブロンド髪で、ブランドスーツに身を包む」という規格外の設定。原作を読んだ時はマツコ・デラックスを思い浮かべていたが、第1話を見る限りでは、城田演じる繭美もいい味を出していたと思う。

 試写会後の会見で、城田は「女性役のオファーが来るなんて驚いた」と話したが「俳優の直感でやりたいと思った」という。

 とはいえ、繭美の強烈な個性を出すのは大変だったようだ。「監督からもっととげとげしくといわれて、まるで包丁を研ぐように自分を研いでいきました」。森監督が「プライベートで友人を何人か失ったみたいです」と明かすと、城田は「普段はあまり役を引きずらないタイプだけど、常にカリカリ、イライラしているような感じになってしまい、親友と呼べるような友達とケンカというか、『お前、何なんだよ!』って言われました」と話した。

 原作の最後は読者の想像に任せる形が取られていたが、果たしてあの最後は描かれるのだろうか。