大杉漣さん「バイプレイヤーズ」最終回まで継続を

亡くなった大杉漣さん

 テレビ東京の定例社長会見が22日、同局で行われ、21日に急性心不全で亡くなった俳優大杉漣さん(享年66)が主演の1人を務める連続ドラマ「バイプレイヤーズ~もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら~」(水曜午後9時54分)の放送を、来月7日の最終回(第5話)まで継続する方向で調整していることが明らかになった。また、LINEのグループで大杉さんの異変に気付くなど、主演5人が強い絆で結ばれていたことも分かった。

 会見で、同局の小孫茂社長は「(ドラマの)パート2をやるなら、同じスタッフ、同じキャストとおっしゃったのは大杉さんだった。番組に対する気持ちがあったと思う。それだけにより一層残念です」。同ドラマの継続については「なんとか続けられないかと、昨日(21日)のうちに編成には指示を出しました」と社長自ら動いたことを明かし、前向きな姿勢であることを示した。

 長田隆編成局長によると、この日までに「第4話(今月28日放送)が7割、第5話が3分の1程度」撮影が終了している状態という。「細かな対応はプロデューサーを中心にこれから。なんとか放送にこぎ着けるべく調整中です」。小孫社長は「作品を生かすも殺すもこの方の演じ方。そういう存在感を持った名優だった。代わりを探す議論はあり得ない」とし、代役などは立てない方針も明らかにした。

 「バイプレイヤーズ」の主演5人、大杉さん、遠藤憲一(56)田口トモロヲ(60)松重豊(55)光石研(56)の強い結束も会見で明らかになった。大杉さんは、20日午後9時ごろまで、他の出演者とともに千葉・富津市内などで同ドラマの撮影に参加。遠藤以外の主演4人で食事後、大杉さんは宿泊先の自室に戻ってから腹痛を訴え、病院に搬送された。

 同ドラマの浅野太チーフプロデューサーによると、主演5人のみで作られたLINEのグループトークがあった。20日も同トーク内に大杉さんからの体調不良の知らせが真っ先にあったことで異変に気付いたという。大杉さんの最期はほか4人の主演者、妻、事務所関係者、一部の制作スタッフだけが立ち会ったという。

 大杉さんの長男で、写真家の隼平氏(35)はツイッターで「病院に連れていって下さった松重さん。遠藤さん、田口さん、光石さん、本当に親父は皆さんの事が大好きでした。ありがとうございます」と感謝の思いをつづっていた。

 また会見では、大杉さんがゲスト出演している、今日23日放送の同局系「所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!」(午後9時)は予定通り放送することも発表された。

 ◆バイプレイヤーズ テレビ東京系連ドラ。5人の「おじさん」名脇役たちが本人役で出演し、共同生活を送るストーリー。1作目「~もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら~」は17年1~4月に深夜枠で放送され話題になった。大杉さん、遠藤憲一、田口トモロヲ、寺島進、松重豊、光石研が主演。今年2月7日スタートの2作目「~もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら~」は漂流先の無人島でサバイバル生活を送る設定で、前作の人気から水曜午後10時に昇格。スケジュールの都合で寺島は出演していない。