尾上菊之助と4歳長男和史君が初共演「頑張ります」

舞台稽古を前に取材に応じた尾上菊之助と長男の寺嶋和史くん(撮影・丹羽敏通)

 歌舞伎俳優尾上菊之助(40)と長男寺嶋和史君(4)が1日、東京・半蔵門の国立劇場で、3月歌舞伎公演「梅雨小袖昔八丈 -髪結新三-」(3~27日)の公開稽古を行った。

 和史君は2年前に歌舞伎座で初お目見え。今回は初めて物語の登場人物にふんし、初めてのせりふに挑戦する。菊之助は、父尾上菊五郎の当たり役でもある新三は初役。親子初共演、それぞれが初挑戦の舞台になる

 菊之助と取材に応じた和史君は、稽古は楽しい? うまくしゃべれそうですか? と聞かれ「楽しいです! はい!」と元気良く返事をし、菊之助に止められるまでせりふを披露してみせた。

 菊之助は「人前に出ると恥ずかしい気持ちがあるので、どう克服させるかがありましたが、お友達の誕生日会でやってみたら、恥ずかしがらずにできた。日ごろから度胸を付けるように訓練しています。稽古通りにやればいいと伝えて、頑張ってもらえれば」。

 和史君は「髪結新三のお父さんが好き。(普段は)優しい」などと答え、取材の最後に「頑張ります!」と大きな声であいさつ、手を振った。

 和史君は紙屋丁稚長松を演じる。得意先に髪結いに出ている新三を探しに来る役回りだ。芝居のまねごとをして「おいら、今に役者になるんだ」というせりふもあり、見えも切る。戸の開け方や、顔を向く方向など、菊之助から細かい指導を受け、初日へ向け稽古が続いていた。

 今後、芸名を名乗っての初舞台を迎える前の和史君の出演について、菊之助は「機会があったら一緒に出たいと思っている」と話した。

 ◆「梅雨小袖昔八丈 -髪結新三-」は、1873年(明治6)に5代目尾上菊五郎が初演した。音羽屋に代々伝わってきた大事な演目で、新三を初役でつとめる菊之助は「5代目が初演し、6代目が練り上げ、7代目である父菊五郎が熟成した狂言。皆さんの目には、父の新三が強く残っていると思いますので、父の足元に1歩でも近づけるようつとめてまいります」と意気込みを語った。

 小悪党で粋な新三を演じるにあたって、菊之助は「最高にかっこいい男じゃないといけない。とても苦労していますが、楽しんでいます」。