史上初のCMが物語の一部になるドラマをフジが放送

フジテレビで20日放送の「名探偵コジン~突然コマーシャルドラマ~」の1シーン(C)フジテレビ

 フジテレビは5日、ドラマ本編の中にCM(広告)を一部として組み込み、CM中もドラマのストーリーが展開し続ける史上初のドラマ「アドフュージョン(広告融合)ドラマ」を、20日深夜0時半から放送すると発表した。

 タイトルは「名探偵コジン~突然コマーシャルドラマ~」で、荒天の中、周りから隔離された山奥のペンションを訪れた私立探偵・萩原礼一が殺人事件に遭遇し被害者=故人となりながら、事件解決に向かって立ち上がる物語。野崎理プロデューサーは「主人公の探偵が幽霊という奇想天外なストーリーはもちろん、本編の世界感そのままにCM部分に突入し、さらにそのCM部分が結末に大きく関わってくるという番組システム全体にもご注目いただきたいです。この番組が、テレビの可能性を変えるきっかけとなり、見てくださった視聴者の方々がフジテレビが深夜に面白いことをやっているなと思ってもらえたら本望です」と語った。

 この企画は、同局で1996年(平8)から22年、続いた「めちゃ2イケてるッ!」の元プロデューサーで現営業局の明松功氏が、広告代理店大手・電通の中尾孝年、伊藤三朗両氏と1年前から会議を重ね、構想とトータルデザインを行った。そしてサントリーホールディングス、エクスコムグローバル、LINEの3社が番組趣旨に企画賛同し、スポンサーとなった。明松氏は「ドラマ本編にCMを有機的に組み込むという前例のない試みだけに、準備段階が大変でした。スポンサーが決まらない→脚本が上がらない→キャスティングが進まない→スポンサーが決まらない→脚本が上がらない→まさに負のスパイラル。各所に、たとえばという便利な言葉を多用しながら我々の熱意だけは伝えさせていただく日々が続きました」と振り返った。

 主人公の萩原礼一を演じる金子ノブアキ(37)は「今までにない形のドラマで、面白いこと考えたなと思いました。参加出来て、自分自身の経験としても面白いなと思いましたね。CMとドラマ本編を一緒に撮るというのも初めてで、いろいろと面白い経験でした。チャレンジ精神が伝わってきましたね。今後にもつながってくれればといいなと思いますし、将来何か大きな潮流が生まれた時に自慢したいですね」と企画の意義を強調した。

 間宮紗良役の佐津川愛美(29)は「CM部分はちょっとオーバーリアクションになる部分も新鮮でした。スタッフさんも楽しんで取り組んでいらして、普段のドラマの撮影よりお祭りのような雰囲気で。出演者の皆さんも楽しんでいらしたので、私も楽しく演じることが出来ました。普通のドラマではない新しいタイプのドラマとして見ていただければと思います」とコメントした。

 神山結子役の北香那(20)は「ストーリーがつながっているので、これなら皆さんCM見るだろうなって。今までにない形のドラマなので、どこがCMなのか探しながら楽しんでいただければと思います」とコメントした。

 ストーリーテラーの滝藤賢一(41)は「なんて画期的な手法なんだ! 何で今まで誰もやらなかったんだろう? コマーシャルをドラマの中に取り入れ、しかもそのコマーシャルがドラマの謎を解く重要な鍵になっているなんて…。よりコマーシャルの印象を視聴者の皆様の脳裏に焼き付けることになるのではないか…。何かとんでもない、革新的なことが起こりそうで怖いです、笑。そして私は『世にも奇妙な物語』のタモリさんポジション? 撮影は、あっという間に終わりましたが、プレッシャーに押しつぶされました…。テレテテテ、テレテテテ、テレテテテッテテレテテテ♪突然コマーシャルドラマ! 楽しんで見ていただけたらうれしいです!」と興奮気味に語った。