元NHK有働由美子アナ、秋から日テレで「夜の顔」

有働由美子アナ(2015年11月26日撮影)

 元NHKの有働由美子アナウンサー(49)が、10月から日本テレビ系報道番組「NEWS ZERO」(月~木曜午後11時、金曜午後11時30分)のメインキャスターを務めることが、6日、同局から発表された。現キャスターの村尾信尚氏(62)は9月末で卒業する。村尾氏は今秋で就任から12年となり、番組リニューアルのタイミングと有働アナ退局のタイミングが合致した。有働アナは「できる努力を全て尽くしていきます」とコメントした。

 元NHKの有働アナが、10月から、日本テレビの報道の顔となる。念願だったジャーナリストとして、新たな1歩を踏み出すことになった。

 有働アナは日本テレビを通じ「身の引き締まる思いです」。さらに「いただいた貴重な機会、村尾さんたちが築き上げてこられた『NEWS ZERO』の信頼を守るべく、できる努力を全て尽くします」とコメントした。

 村尾氏は06年10月から同番組のキャスターを務め、今秋で丸12年になる。視聴率も一時期の勢いはなく、同局はリニューアルの意向があった。そんな矢先、有働アナがNHKを退局し、マツコ・デラックス、くりぃむしちゅーと同じ芸能事務所に所属。マツコは「月曜から夜ふかし」、くりぃむしちゅーは「しゃべくり007」など、ともに同局で人気番組を持つ。同局と同事務所には太いパイプがあり、今回の有働アナ起用が実現したとみられる。同局内にはかん口令が敷かれており、一部の幹部が交渉していたようだ。

 有働アナはNHKを3月31日付で退局した。当時「以前から抱いていた、海外での現場取材や興味ある分野の勉強を自分のペースで時間をかけてしたいという思いが捨てきれず」と退職理由をコメント。特に、一ジャーナリストという表現を用いた。

 関係者は当時、退職理由について「有働アナは現場への関心、こだわりが強いから」と説明した。07年からNHKの米国総局に3年間勤務。同国での取材経験も積み、アナウンサーやキャスターとして番組を仕切るだけでなく、現場取材に強い関心を持っていると代弁していた。

 また、有働アナはNHKに在職中、日刊スポーツの取材に「年を重ねたらニュースキャスターというより、ニュースの司会者をやってみたい」と語っていた。また「上から目線で語るのではなく、ニュースを見ている人たちに、番組と一緒に考えてもらえる、自分たちの時代を誰かに任せるのではなく、自分たちで考えて方向を見つけていく。そんな気持ちになってもらえる生活の側にあるような、そんな存在感のあるニュース番組をいずれやってみたい」と語っていた。

 有働アナは退局時、親しい知人には「しばらくは1人の視聴者、1人の生活者として放送や世の中を見つめたい。いろんな勉強したい。そしていつか放送の世界に戻りたい」と語っていたという。

 だが、事務所に所属。新しい仕事のオファーを受け、以前から抱いていた番組への思いと合致したことから、決断したようだ。

 ◆有働由美子(うどう・ゆみこ)1969年(昭44)3月22日、鹿児島県生まれ。大阪で育ち、神戸女学院大卒業後、91年にNHK入局。94年に東京勤務。97年「サンデースポーツ」キャスター。02年「NHKニュース10」キャスター。01~03年「紅白歌合戦」紅組司会。12~15年、4年連続で総合司会。07年からアメリカ総局。帰国後の10年から今年3月まで「あさイチ」司会。趣味は旅行、温泉巡り、料理、読書。好きな食べ物はすし、すき焼き、イタリア料理。血液型O。

 ◆NEWS ZERO メインキャスター村尾信尚氏のほか、月曜に櫻井翔(36)火曜に桐谷美玲(28)らがキャスターを務める。放送開始からのメンバーは村尾氏、櫻井、ラルフ鈴木アナ(44)の3人。有働アナはNHK「あさイチ」で、V6井ノ原快彦(42)と共演しており、10月からは、井ノ原と同じジャニーズ事務所の櫻井と共演する。有働アナはジャニーズ好きを公言している。

<退局後の有働アナ>

 ◆3月31日 NHK退局

 ◆4月26日 芸能事務所「ナチュラルエイト」への所属を発表

 ◆5月29日 テレビ東京系深夜番組「マツコ、昨日死んだってよ。」にナレーター出演

 ◆6月2日 日本テレビ系「開局65年記念番組 日本テレビ+ルーヴル美術館『その顔が見たい!』」に出演

 ◆同9日 NHK・BSプレミアム「第3弾!世界プリンス・プリンセス物語」に出演

 ◆同15日 文化放送「大竹まこと ゴールデンラジオ!」にゲスト出演する。民放ラジオは初めて