「盗作や!」ほんこんが矢部太郎の手塚賞に待った?

手塚治虫文化賞授賞式前に取材に応じた矢部太郎(中央)と応援に駆け付けた左から、ほんこん、板尾創路、1人おいて石田靖、木下ほうか(撮影・村上幸将)

 漫画「大家さんと僕」(新潮社)で第22回手塚治虫文化賞短編賞を漫画家以外で初めて受賞した、お笑いコンビ、カラテカ矢部太郎(40)が7日、都内で行われた授賞式前に囲み取材に応じ、吉本興業の先輩ほんこん(54)から「お前、盗作やないか!?」と盗作疑惑? をかけられた。

 「大家さんと僕」は、矢部が9年前から東京・新宿の外れの一軒家で、88歳の大家さんとともに暮らす日々の実話を初めて描いたエッセー漫画で、月刊文芸誌「小説新潮」での連載に書き下ろしを加え17年10月31日に単行本として出版した。

 引っ越し当初は、帰宅時に電話してきたり、知らぬ間に洗濯物を届ける大家さんとの距離感の近さに戸惑うものの食事や交流を重ね、旅行に行くまでに仲良くなる物語と絵柄が「心が、ほっこりする」と女性を中心に厚い支持を受け、累計発行部数が30万部を突破した。

 ほんこんをはじめ、祝福に駆け付けた板尾創路(54)、石田靖(52)、木下ほうか(54)は、いずれも作中に登場した先輩芸人のモデルになっている。矢部は「モデルにさせていただいたと勝手に思っている先輩方。(漫画の中で)いろいろな、せりふがあるんですけど」と説明した。

 この日、取材の場に置かれた漫画の1シーンには、「そのうち遺産もらってってなるんちゃう? 家どこ?」と言う関西人のおっさんが描かれていた。そのモデルは、ほんこんだという。ほんこんは、その絵を見て「そうそう、俺は確かに(書かれたせりふを)言うたよ。盗作やないか? 何の断りもなく書くなや!」と、憧れの授賞式を前に矢部を追及。これには矢部も「いえ…モデル?」と、しどろもどろになった。

 さらに、ほんこんの口から「矢部先生でしょ? お金の話しかしませんからね、ほんまに。30万部やからパーセンテージ、変わってくるんやろ?」と印税の際どい話も飛び出した。焦る矢部を尻目に、ほんこんは「何パーとは言えへんけど、具体的に僕に(印税の額を)言うたやん…20? だから『無駄遣いするな、税金くるぞ』って言うたら『助かります。アドバイスありがとうございます』って言うたやん」と言いたい放題。矢部は「今、言わなくたっていいじゃないですか?」と苦笑した。

 矢部は、パラパラ漫画で知られる、同じ事務所の鉄拳(46)とコラボで漫画を作る可能性はあるかと聞かれると「あっ、いいですね! 全く考えたこともありませんでしたけど、面白そうな気がします」と前のめりになった。一方、相方の入江慎也(41)が出版している、人脈に関する本の漫画化の可能性については「それはないです。それは、絵には表せない」と即答で否定した。