男女格差キング夫人の映画、トランプ政権で存在意義

ヴァレリー・ファリス(左)ジョナサン・デイトン両監督(撮影・相原斎)

 全盛期の女子プロテニス王者と、盛りを過ぎた男子プロ元王者が実際に試合をしたらどちらが勝つのか。「キング夫人VSリッグス」として日本でも注目された45年前の一戦が映画化された。米映画「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」(6日公開)で、夫婦監督のジョナサン・デイトンさん(60)ヴァレリー・ファリスさん(59)が来日、このほどインタビューに応じた。

 「賞金額など男女格差が大きかった時代にビリー・ジーン(キング夫人)が立ち上がった戦いです。LGBTQ(性的少数者)などへの理解は深まりましたが、実は男女格差はそれほど詰まっていない。現代に通じる題材だと思いました」とファリスさんは言う。

 撮影期間は大統領選に重なった。「ビリー・ジーンはヒラリー・クリントンの親友で、彼女が大統領になったらホワイトハウスで披露試写会をやろうという計画だったんです。結果は予想外でしたが、トランプ政権になっていろんな偏見が表面化しました。映画の存在意義はかえって増したように思います」とデイトンさん。ビリー・ジーン役はエマ・ストーン。4カ月の特訓で7キロ増量の肉体改造に取り組んだ。「脚を見てください。『ラ・ラ・ランド』(15年)の時とは全然違いますから」とファリスさんが明かした。【相原斎】

 ◆ビリー・ジーン・キング 1943年11月22日、カリフォルニア州生まれ。全英シングルス3連覇を始め、67年には全英、全米連続でシングルス、ダブルス、混合ダブルスの3部門すべてを制した。73年に男女対抗試合でリッグスを倒す。レズビアンをカミングアウト。09年に大統領自由勲章を授与された。