乃木坂46、史上初2会場同時公演成功 3日間18万人

秩父宮ラグビー場のステージを駆け回り、手を振る西野七瀬(手前中央)ら

 乃木坂46が8日、東京・神宮球場と秩父宮ラグビー場でデビュー6周年を祝う「6th YEAR BIRTHDAY LIVE」の千秋楽公演を開催した。2会場同時開催、会場間をメンバーが行き交い両会場に全メンバーが出演するという前代未聞のライブ。1日6万人、3日間で計18万人を沸かせた。過去最大規模の夏のツアーもスタート。来月に結成7周年を控え、充実の時を迎えている。

 終盤の「シンクロニシティ」で、選抜メンバーがパフォーマンスしている神宮球場は会場全体が赤いペンライト一色で埋まった。一方、同時にアンダーメンバーが「シンクロニシティ」を披露している秩父宮ラグビー場では、青のペンライトでいっぱいになった。両会場の画面が紫色に切り替わると、それぞれの客席も紫のペンライトで一気に染まった。夏の夜空に、乃木坂46のグループカラーの紫で“シンクロ”した2つの会場が浮かび上がった。

 メンバーも、関係者も、誰もが「本当にできるのか?」と思った同時開催ライブだった。同一アーティストの単独ライブで、2会場を同時併催するのは史上初だ。大人数のアイドルグループでは、普通の1会場のライブであれば、自分の出番以外は基本的に舞台裏におり、次の曲の準備をしたり、呼吸を整えたりすることもできる。ただ、今回は両会場で同じ曲を1回ずつ披露することも多いため、単純計算でメンバーの負担は2倍になる。

 スタッフも例外ではない。この日は神宮球場で9000人、秩父宮ラグビー場で5500人のスタッフを動員。1日からステージセットを着工し、仕込みと解体のために計800台のトラックが使われた。メンバーが会場間の通路を行き交うたびにセキュリティースタッフとマネジメントスタッフも並走。「今までのライブで肉体的には一番ハード」と明かすスタッフもいた。

 乃木坂46は2月にデビュー6周年を迎えた。昨年初の東京ドーム公演を開催するなど、ライブ会場も年々大きくなっており、「西武ドーム極寒8時間ライブ」など多彩なステージも踏んできた。一方で、メンバーたちは連日CMに出演し、メディア露出は増え続けている。過密なスケジュールの中でも、2つの部屋に分かれた特設のスタジオでリハーサルを重ね、一丸となって史上初の試みにチャレンジした。

 ダブルアンコールの「ガールズルール」を終え、神宮球場にいたキャプテン桜井玲香(24)は、両会場に中継であいさつした。「バースデーライブ、本当にすてきなライブになりました。今日は2会場分も、パワーをいただいたので、このライブから始まったツアーで、元気を全国に届けていきたいと思います。秩父宮の皆さん、神宮の皆さん、ありがとうございました!」と叫んだ。苦労も2倍、達成感も2倍、感謝も2倍。今年の夏も、乃木坂46が強くなる。【横山慧】

<乃木坂46コンサートの歩み>

 ◆13年2月22日 幕張メッセで9000人動員。アンコールで「君の名は希望」を初披露、27曲を歌う。

 ◆14年2月22日 横浜アリーナで1万3000人動員。42曲を4時間半にわたって披露し、当時のグループ史上最大最長のライブに。

 ◆15年2月22日 西武ドームで3万8000人動員。真冬の気温2度の中、8時間で73曲を歌う異例のステージとなった。

 ◆16年8月28~30日 神宮球場で初の3日間開催。計10万5000人動員。28、29日は台風の中行われ、3日間で計112曲披露。

 ◆17年2月20~22日 さいたまスーパーアリーナで3日間開催、計10万5000人動員。初日は、引退した橋本奈々未さんの卒業コンサートとして行われた。

 ◆18年7月6~8日 神宮球場と秩父宮ラグビー場の2会場で同時開催。3日間で計18万人動員。