麻生美代子さん、さくらさん…相次ぐ訃報にフジ反応

麻生美代子さん(2014年2月2日撮影)

フジテレビ系でアニメ「サザエさん」(日曜午後6時30分)で主人公フグ田サザエの母親の磯野フネの声を、1969年(昭44)年10月5日の放送開始から15年(平27)年9月27日まで46年間務めた声優の麻生美代子さんが8月25日午前7時23分、老衰のため死去したことを3日、所属事務所が発表した。92歳。東京都出身。通夜、葬儀は近親者で済ませた。

番組開始から現在まで、フネの長女サザエの声を担当する女優加藤みどり(78)は「放送が始まった時は私が一番年下だったのですが、それからずっと、何かあればいつも麻生さんに相談できて、頼りになる先輩でした。現場でもムードメーカー的存在なので、『サザエさん』の中でも外でも麻生さんがいれば安心してやってこられました。趣味人でもありいろんなことに前向きな方で、80歳になられても声が出るし、滑舌も良く、先輩として皆の目標になっていました。なので、私の中では同じ形で麻生さんが生きているような感じがして、懐かしい思いがします。どこにいても、麻生さんは麻生さんです」とコメントを寄せた。

フネの孫にあたるフグ田タラオ役の声優貴家堂子(77)は「とても残念でさびしいです…。安らかにお眠りください」と話している。

制作会社のエイケンとフジテレビのスタッフ一同は「放送開始から46年の間、麻生さんに演じ続けていただいたフネさんは、優しくてしっかり者でありながらかわいらしいところもある、磯野家の自慢の母でした。ひとりの女性として誰もが憧れるフネさん像を築いてくださったことに、ただただ感謝の気持ちでいっぱいです。『サザエさん』スタッフ一同、これからも麻生さんの思いを大切につないでいきたいと思います。本当に、ありがとうございました」とコメントを発表した。

この日、午前に行われたフジテレビの10月期の会見発表では、原作者のさくらももこさん(享年53)が15日に亡くなった、同局系「ちびまる子ちゃん」(日曜午後6時)とともに、「サザエさん」について、斉藤翼編成部長が「長く続いているので、今後も歴史を積み重ねて行ける番組として大切にしたい」と話していた。