安室奈美恵、ラストステージは笑顔で締めくくった

安室奈美恵(15年9月5日撮影)

安室奈美恵(40)が今日16日をもって、芸能界を引退する。引退前日の15日には、沖縄・宜野湾市の沖縄コンベンションセンターで行われた「WE■NAMIE HANABI SHOW前夜祭~I■OKINAWA/I■MUSIC~」(■はハートマーク)に出演し、平井堅(46)らゆかりのあるゲストらと共演した。倍率が数百倍ともいわれるプラチナチケットをゲットした3500人の前で8曲を披露し、ラストステージを飾った。会場周辺をはじめ、故郷が最後の“安室フィーバー”に沸いた。

イベント開始から1時間50分後の午後7時50分。暗転したステージ上に姿を現した。「安室ちゃんだ!」。この日一番の大歓声が上がる。ポニーテール姿で、右腕部分にレースをあしらうなどアレンジした黒のイベントTシャツに、パンツルック姿。トレードマークの赤のニーハイブーツの安室スタイルで、歌い踊った。「さわげ沖縄~!」とあおりながら、この日出演した平井堅らとのコラボも交えながら8曲を披露した。

ラストステージは、故郷で音楽を楽しめるフェス形式を選んだ。タイトルにも「I■MUSIC」と入れた。6月3日のラストドームツアー最終日には「皆さんの素晴らしい毎日の中に、音楽が常にあふれているよう、心から願っています。これからもすてきな音楽に、たくさんぜひ出合ってください」と呼び掛けた。複数歌手が出演する音楽イベントも、08年8月の「a-nation」以来10年ぶり。「今日はどうもありがとうございます。参加してくださったアーティストの皆さんに大きな拍手をお願いします」と笑顔で握手した。

最後のあいさつは「この会場に来てくださった皆さん、本当に本当にありがとうございましたー!」。登場から約40分。笑顔で手を振りながらステージを後にした。会場のファンは涙ながらに、大きな「ナミエコール」で送り出した。安室と同じ那覇市の首里地区出身という山城花織さん(33)金城絵里奈さん(35)は「最後まで安室ちゃんらしく、予想外のこともあって印象に残った。いろいろな人や音楽に愛されていたんだと思いました」と話した。

沖縄には多くのファンが集まり、県内は安室フィーバー状態だ。那覇市内の安室に関する展示会では行列ができた。沖縄市のプラザハウスショッピングセンターで開催中の展覧会「Final Space」は、午前6時ごろから当日券を求める列ができ、オープンの午前11時と同時に完売。各地の観光名所や飲食店は、安室のツアーTシャツを着たファンであふれた。

今日16日には、安室の楽曲と花火がコラボした「WE■NAMIE HANABI SHOW」(ぎのわんトロピカルビーチ)が行われる。安室の出演予定はないが、チケットは即完売。引退当日までフィーバーは続きそうだ。【大友陽平】

◆安室奈美恵(あむろ・なみえ)1977年(昭52)9月20日、沖縄県生まれ。スーパーモンキーズを経て、95年4月に「太陽のSEASON」でソロデビュー。10代歌手の記録を次々と塗り替え、96年7月発売のアルバム「SWEET 19 BLUES」の初回出荷305万枚は当時の最高記録。97年に結婚し、翌98年に長男を出産も02年に離婚。NHK紅白歌合戦には10回出場。今年5月に沖縄県民栄誉賞。